完治しにくいがんが、手頃なかぜ薬で治るかも。 がんの治療って、それ用に保険が必要になるくらいお金がかかるみたいです。でも北海道大学の研究で、安価なかぜ薬が難しいがん治療にも役立つらしいことがわかってきました。 北海道大学大学院医学研究科の田中伸哉教授・篠原信雄教授の研究チームは、ヒトのぼうこうがん細胞をマウスのぼうこうに移植して実験を行いました。移植から1カ月半ほど後に分析すると、がんが肺などの臓器に転移していて、転移したがん細胞ではアルドケト還元酵素という物質が多くなっていることが確認されました。実験の結果、このアルドケト還元酵素が、ぼうこうがんの細胞の動きや抗がん剤への抵抗力を強くしていることがわかったんです。 そこで研究チームは、アルドケト還元酵素の働きを邪魔するフルフェナム酸という成分をがん細胞に投与する実験を行いました。するとがん細胞の動きが止まり、抗がん剤の働きも回復できること