昨年11月に兵庫県の淡路島で発覚した贈収賄事件で、思わぬ賄賂が注目を集めた。空気を圧縮して送り出す「エアコンプレッサー」。タイヤの空気入れや高圧洗浄に使われるのが一般的だが、淡路島ではタマネギの皮むきで活躍しているという。島では皮むきで生計を立てる人たちを「むきタマ業者」と呼び、淡路産のほか、なぜか北海道産や海外産も手掛けているらしい。調べると、全国3位の出荷量を誇るタマネギ名産地の知られざる姿が見えてきた。(鈴木雅之、高田康夫) 左手には上下をカットして薄皮に切れ込みを入れたタマネギ。右手にはコンプレッサーのピストル形噴射器。「プシュッ」。空気を吹き付けると、茶色い皮がはがれ、つるつるの「むきタマ」が出来上がった。 「阪神・淡路大震災で瓦の仕事がだめになり、これしかなかった」。作業の合間に、南あわじ市の70代男性が教えてくれた。 日本三大瓦の一つ、淡路島の「いぶし瓦」業界は震災後、「重い