兵庫県立大と理化学研究所などの研究グループが、同県佐用町にあるエックス線自由電子レーザー施設「SACLA(サクラ)」を使い、ヒトを含む哺乳動物が、タンパク質の中で生きるためのエネルギーを獲得する仕組みを世界で初めて解明した、と発表した。100兆分の1秒という超高速撮影により、関連するタンパク質が一瞬のうちに起こす変化を克明に捉えたという。成果は14日付の米科学誌サイエンス・アドバンシーズ(電子版)に掲載された。(田中陽一) 研究グループによると、哺乳動物は呼吸で取り込んだ酸素を使い、「チトクロム酸化酵素」(CcO)と呼ばれるタンパク質の中で食物からエネルギーを取り出す。エネルギーはCcO内で特定の経路をたどり、別の媒体によって1カ所に集積。そこから生命活動に欠かせないエネルギー源となる化合物「アデノシン三リン酸」(ATP)が生み出される。 一連の反応は千分の1秒という極めて短時間で起きるた
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