「時間管理」「タイムマネジメント」の技術というのはたくさんありますが、私の経験ではほとんどが失敗します。いったい、どうすりゃいいんでしょうか。今日は、自分の心の傾きに気づき、水のように流れることが最善なのでは? ということについて考えます。 ある人、時刻を知らんためにとて、自鳴鐘(とけい)を求めんとするを、その妻、これをとどめていひけるは、「明け暮れにかくる世話のみにあらず、くるひたる折からにはその隙(ひま)を費やし、自鳴鐘のためにかへりて時を失ふこと多からん。やめ給へ。」といへば、「さあらば鶏を飼ふべし。」といふに、その妻、またとどめていひけるは、「時刻は人のうへにあり。潮の満ち干(ひ)きもこれとおなじかるべし。自鳴鐘、鶏をたよりとするは、勤めに怠る者のいたすことなり。」と、夫を諌(いさ)め、つひに鶏をも飼わずなりにき。 柳沢淇園『雲萍雑誌』より。 柳沢(やなぎさわ)淇園(きえん)の『雲