「歴史が変わった瞬間、『こうやって変わったんだ』と分かると感動する」。フィクションより、事実そのものに心動かされるという。 3年前に今の会社組織にして、最初の本が黒崎輝著『核兵器と日米関係』。サントリー学芸賞を受賞した。以来、近現代史や国際政治学の本15冊を一人で編集し、出版する。「現代社会を読み解くためには、近現代史を知らないと分からない」。強いこだわりがある。 原点は高校時代。戦争終結5周年を機に、数多く出版されたベトナム戦争の本を読みふけった。「アメリカという圧倒的なパワーを持つ国が、なぜベトナムという小国に負けたのか。その疑問を解明してくれる本を探していた」。米国のジャーナリスト、デービッド・ハルバースタムらの本で大枠は理解したが、当時よく分からなかったベトナム側の事情など、今でも答えを探し続けている。 「国際政治なくして歴史を語ったとは言えず、歴史を描くことなく国際政治は分からな