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ブックマーク / sci-tech.jugem.jp (294)

  • 書評『安全。でも、安心できない…』 | 科学技術のアネクドート

    頼れる人物と頼れない人物のちがいとは何なのでしょうか。日頃から立場的に頼られたいと思っている人は、このを読むと答が見えてくるかもしれません。 『安全。でも、安心できない…――信頼をめぐる心理学』中谷内一也 ちくま新書 2008年 208p このは、リスクという概念やある物事のリスクを市民に知らせる「リスク・コミュニケーション」について書かれたものだ。でもリスクの話のみに捉えられてしまうのはもったいない。主題が「信頼」だからだ。 世間には「あの人の言うことはどうも信用ならん」という印象をあたえる人がいる。いっぽうで「あの人の言うことなら信用してもいい」と感じさせる人もいる。このを読めば、その違いが見えてくる。 まず著者は、市民がある物事について安心を得るまでの過程を、「二重過程理論」という理論で説明する。人が「それは安全か危険か、どのくらいのリスクか」と知りたいとき、とことん調べあげる

  • 科学技術のアネクドート -「ロボットは街でかならず死亡事故を起こすでしょう」

    画像はイメージで文内容とは関係ありません 科学技術にはいろいろな分野があります。その分野が進歩するほど、進歩したからこその問題もいろいろと出てきます。 生物学が進んだからこそ、クローン技術でヒトをつくってよいかどうかといった問題が生まれました。大きな視点では、技術全般が進歩したからこそ環境が問題化した点もあるでしょう(逆に技術力で環境がよくなった例も多いけれど)。 あることが解明されると先のことを知りたくなる。しかも自分の手によって知りたくなる。これが科学者の来の性格だといわれます。この推進力は、いろいろな分野での進歩と、それに伴う問題の原因の一つにもなるでしょう。 先を知りたいからといって、問題を無視するようなことは、最近の「安全・安心」を求める社会では通じなくなってきました。そこで、研究者たちは自分たちによって「自主規制」を設けることがあります。 これから、そうした研究者による自主

  • 吉岡幸雄さん「華やかな色こそが日本の伝統色」 | 科学技術のアネクドート

    今年2008年は、紫式部が『源氏物語』を著してから1000年。さまざまな記念行事や催しものが行われています。 12月11日(木)から16日(火)まで、東京の日橋タカシマヤでは、「千年紀―源氏物語の色―染織家 吉岡幸雄の仕事」が開かれています。 吉岡幸雄さんは、京都・伏見にある「染司よしおか」の染師。源氏物語に見られる色彩美を、絹などの染め物で再現することを畢生の仕事としています。東大寺の「お水取り」に染め和紙を奉納するなどの活動も行っており、『日の色辞典』や『日の色を染める』などの著書も多数あります。 催しものの期間中は、午前11時から約45分間、吉岡さんが手がけた染め物を自らで解説します。源氏物語を深く読み込み、そこから現れ出る“色”を、染め物で再現します。 たとえば、第14帖の「澪標」。都落ちをして須磨で嵐に遭っていた光源氏は、嵐が治まるよう住吉の神に祈ります。また夢の中で、源氏

  • 野菜に“野菜権” - 科学技術のアネクドート

    人権から発展した“動物権”という考え方があるようですが、では“野菜権”はあるのでしょうか。日では野菜はどちらかというとののしられる対象として扱われてきました。 「おたんこ」といえば「なす」。「どて」といえば「かぼちゃ」。「だいこん」といえば「やくしゃ」。「もやし」といえば「っこ」。 「おたんこなす」は、遊女が嫌な客を「御短」つまり「短小」の意味で使っており、それに「小茄子」が付いたとされます。「御短小茄子」なのですね。 「どてかぼちゃ」は、土手に生えているほど、どこにでも転がっている価値のないものという意味のよう。「土手南瓜」。 「だいこんやくしゃ」は、語源が諸説あるようで、色の「白」と「素人」を掛けたとか「おしろいを塗りたくった」とかいう説があります。大根はあたりがないことから「当たらない」という説も。「大根役者」。 「もやしっこ」は、「萌やしっ子」。語感どおり、ひょろひょろとした体

  • たんけん湖のまち | 科学技術のアネクドート

    30歳台の方には、『たんけんぼくのまち』というNHK教育テレビの社会科番組を懐かしむ人もいるかもしれません。「チョーさん」こと長島茂(ながしましげる)さんが、商店の店員として下宿生活を送る中で、地元地域のいろいろな有様を地図で表していくといった番組です。 この番組で1984年から85年にかけて舞台となっていたのが長野県諏訪市です。諏訪市の人口は5万人ほど。大都会でもなく、農村でもなく、ちょうど中庸な規模の都市であるため、番組として扱いやすかったのかもしれません。 この番組では、諏訪市の代表的な地形である諏訪湖が何度も映されていました。諏訪湖は長野県と静岡県を流れる天竜川の水源です。水が豊富なこともあり、諏訪市にはセイコーエプソンなど、精密機械製造業の社や工場が建ち並んでいます。 一昔前から諏訪湖で深刻化しているのが、堆積物の増加です。諏訪湖に流れ込む横河川、砥川、宮川などの川が泥などを湖

  • 「平野を拓いた木の道具」 | 科学技術のアネクドート

    仙台・長町南にある「地底の森ミュージアム」で、企画展「平野を拓いた木の道具 農具のはじまり」が開かれています。あす(2008年12月7日(日))まで。 地底の森ミュージアムは、この地で発掘された2万年前の「富沢遺跡」の保存や公開を目的とする博物館です。地下展示室には写真のような2万年の前の氷河期の世界が常設で展示されています。 企画展では、富沢遺跡のほか、仙台市内の高田B遺跡、中在家遺跡などから出土した木製品が展示されています。これらは旧石器時代よりもいまに近い弥生時代のものとされています。考古学者の山内清男が「日の稲作は弥生時代にはじまった」」と証明しています。 これは斧の柄です。上はクヌギ、下はコナラ。遺跡周辺からは自然に生えているクヌギの化石は見つかっていません。離れた場所で加工され、遺跡のあたりまで持ち込まれたものと考えられています。いっぽう、同じく斧の柄に使われていたクリは、遺

  • NHKのニュース原稿の癖 | 科学技術のアネクドート

    英国の国営放送局BBCのニュースで使われる英語は、イギリス英語の標準的なものとされています。広く放送で見聞きできる発音や言葉づかいが言語習得の指標になるというのは便利なことかもしれません。 NHKのニュースは日語の標準的といえるでしょうか。ラジオのニュースはともかく、テレビのニュース番組を使っての言語習得はおすすめできそうにありません。 「述語を述べない文」があまりに多すぎるからです。たとえば、名詞などで終える体言止め。また、助詞で終えるといった使い方も、この述語を述べない文に含まれます。 「述語を述べない文」の模範例は、平日21:00からの「ニュースウォッチ9」の原稿です。例えば、きのう(2008年12月3日)のトップニュースを文字にしてみましょう。太字の部分が「述語を述べない文」。 4万5千通の「年金とくべつ便」を含む12万通もの郵便物。なぜ2か月間も放置されていたのか。その原因が明

  • 科学史上最も美しい実験(1) | 科学技術のアネクドート

    世界の名だたる研究者たちの中に日人の名前が登場すると、嬉しくなる人は多いと思います。「フェルマーの最終定理」解決の歴史では、志村五郎と谷山豊という二人の日人が不可欠な役割を果たしました。 英国の科学誌『フィジックス・ワールド』は2002年、「科学史上最も美しい実験」とは何かを読者に聞いて集計しました。 ガリレオ・ガリレイの「落体の実験」やアイザック・ニュートンの「太陽光スペクトルの分解実験」などが上位に来る中、1位に選ばれたのが「二重スリットによる電子の干渉実験」でした。この実験の実行者の中に、日立製作所フェロー外村彰さんがいます。 「二重スリットによる電子の干渉実験」はどのように美しいのでしょう。説明するには、まず英国の科学者トマス・ヤング(1773-1829)が1801年に行った「ヤングのスリット実験」を紹介しておくのがよいでしょう。この実験自体、「科学史上最も美しい実験」の第5位

  • 書評『量子力学が語る世界像』 | 科学技術のアネクドート

    「これぞブルーバックス!」というような、読みがいのあるです。 『量子力が語る世界像 重なり合う複数の過去と未来』和田純夫 講談社ブルーバックス 1994年 256ページ 身のまわりのできごとも、あまりに小さくて見えないと、「別世界でのできごと」に感じられるのかもしれない。量子力学の世界がその典型だ。 私たちの体を構成する原子や、原子をとりまく電子などを単体や数個といったレベルで観測すると、その状態はとても奇異なものに映る。 たとえば、1個の電子が原子からぽんと飛び出して、壁に向かっていくとする。壁には左右ふたつ穴があいている。電子はその穴を通り、向こうの幕にたどりついた。 このとき1個の電子は、波として、左右の二つの穴の両方を通る歴史をかさねあわせることができるというのだ。 ここで登場するのが「波束の収縮」と「確率解釈」という量子力学ならではの言葉である。 「波束の収縮」は文字どおり、波

  • 字イロハ | 科学技術のアネクドート

    千葉県の香取市は、空港のある成田市の北東にある人口8万4千人の市です。2006年3月、この地域にあった1市3町が合併して誕生しました。 1市だったのは佐原市。「千葉の小江戸」とされ、運河や蔵などが見られる風光明媚な観光地です。 さて、佐原の中心街には、ちょっとかわった地名があります。「佐原イ」「佐原ロ」「佐原ハ」「佐原ニ」「佐原ホ」。全国で見られるのは「一丁目」「二丁目」の「丁目」。しかし、佐原では「イ」「ロ」「ハ」がついています。 厳密には、「一丁目」と「イ」は、地名の位置づけとしてはおなじ階層ではなさそうです。「佐原イ」の「イ」は、“大字”だからです。明治に行われた市制町村制による合併で、旧町村名は「大字何々」と名前が残されたものの、佐原の付近では大字を「イ」「ロ」「ハ」などに簡略化してしまいました。 この簡略化された大字「イ」「ロ」「ハ」は千葉県北東部のほかの地域でも見られます。たと

  • 米国に受け入れられた「ポカよけ」 | 科学技術のアネクドート

    ものつくりの現場である工場ラインでは、人が誤りをおかしたとき大きな害にしないための安全策が何重にもはりめぐらされているといいます。 この安全策を追い求めた人物が、日技術者・新郷重夫(1909-1990)でした。新郷は日能率協会の職員として、また1959年の独立後は自由業の身として、企業の品質改善を指導しつづけました。 トヨタ自動車や松下電器の工場ラインでの生産性向上を支援するなかで、新郷は「ポカよけ」の大切さを考えるに至ったといいます。 「あいつ、ポカしやがって」という状況を「よける」のが「ポカよけ」。人による誤りは起きるものとして、その影響を最小限にとどめることを目指す考えかたです。畑村洋太郎さんが提唱する「失敗学」での失敗の捉えかたと似ていますね。 坂九の「SUKIYAKI」が米国で有名になったのと同じく、「ポカよけ」も「Poka-yoke」として米国で広く知れわたる概念となり

  • 宇宙の果てにせまる「すばる望遠鏡」 | 科学技術のアネクドート

    物理学者・仁科芳雄の功績を記念して、物理学の研究成果をあげた人を讃える「仁科記念賞」の2008年度受賞者がこのたび発表されました。 受賞者は、国立天文台の家正則教授、東京大学理学系研究科の上田正仁教授、東京大学理学系研究科の早野龍五教授の3人です。 このうち、家教授の受賞業績は「すばる望遠鏡による初期宇宙の探査」。すばる望遠鏡は、国立天文台がハワイのマウナケア山頂に建てた望遠鏡です(画像左)。私たちの銀河の中心部を観測したり、冥王星の月カロンを撮影したりと、さまざまな成果をあげてきました。 家教授が手がけた初期宇宙の観測も大きな業績のひとつです。128.8億光年の宇宙にある銀河を捉えました。 光にも移動速度があるため、どこかから放たれた光が私たちの目に届くまでに時間がかかります。遠くの雷を見る程度であれば光は「一瞬で届く」といえるものの、たとえば太陽の光は8分後に地球にやってきます。 つま

  • 黒丸派対白丸派 | 科学技術のアネクドート

    や雑誌などの紙媒体の編集作業では、校了に近くなると「校正刷り」を出力します。校正用のためし刷りのことで、これを校正係にわたして誤字脱字を確認してもらったり、執筆者に送って内容を確認してもらったりします。 この段階では、よく「文字入力保留」という状態が起きます。 たとえば、仕上がったでは「35ページ図4参照」といった表記になるものの、校正刷り段階ではまだ頁と図の番号が流動的なため「35」と「4」という具体的な数を入れられないような状態です。 校正刷りの段階で「35ページ図4参照」と数字を入れてしまう編集者もいるでしょうが、その場合、校了間際に最初から最後まで確認する“素読み”の作業が必要になります。 たいていの編集者は、確定していない頁と図番号は「入力保留」とします。そのとき、保留であることをどう表現するでしょうか。 ある編集者は「●ページ図●参照」のように、黒丸をとりあえず入れます。

  • アイヒマンの法則 「絶対に続けていただきます」――法則 古今東西(3) | 科学技術のアネクドート

    映画にはたまに主人公が電流ぜめの拷問にかけられる場面があります。主人公を横目に、冷酷な長官と臆病な部下のあいだでこんな会話が。 長官「まだあいつは白状しないのか」 部下「へ、へぇ」 長官「よし、電流を最大級にしろ」 部下「し、しかし、長官。これ以上やったら、あいつは死んじまいますぜ」 長官「構わん、続けるんだ。やれ!」 部下「ひ、ひー」(震える手) よくある映画では、部下が電流を最大級にする直前で、主人公に助けが来るなどして、窮地を脱することが多いようです。 しかし現実の世界では「やれ!」と言われたらやってしまう人はかなりいるようです。 米国の心理学者スタンリー・ミルグラムは、1961年、「上役に電流ぜめを指示された人は、どこまで従ってしまうか」を試すという実験をしました。 被験者はもう一人の“役者”と対になります。被験者と役者は別の部屋に入ります。役者は簡単な4択問題に答えます。まちがっ

  • 「100%の安全はないと理解して」食と健康のコミュニケーション(1) | 科学技術のアネクドート

    きょう(2008年10月25日)、東京・四番町の科学技術振興機構(JST)ホールで、シンポジウム「現代を見る目、めざす未来 と健康のコミュニケーション」が行われました。主催は日科学技術ジャーナリスト会議とサイエンス映像学会、科学技術振興機構。 狂牛病、自給率の低下、毒入り餃子問題、農業の高齢化、賞味期限や産地の偽装、汚染米など、毎年のようにの問題は話題になっています。今回のシンポジウムは、このの問題を題材にして、社会と科学技術をつなぐ情報の伝え方と報道のしかたについて議論を深めるもの。 第1部の基調講演では、日学術会議会長の金澤一郎さんが「科学と社会の情報交換」という主題で話しました。 リスクの捉え方の難しさを金澤さんは強調します。狂牛病対策として、日では月齢21か月以上の肉牛に検査を行ってきましたが、「これまで41万頭を調べて、脳にプラスの反応が出たのは12頭」。 しかし、「

  • 11月23日(日)は「出版不況下の科学雑誌を語る」 | 科学技術のアネクドート

    おしらせです。 早稲田大学大学院科学技術ジャーナリスト養成プログラム(MAJESTy)が、(2008年)11月23日(日)、東京お台場の日科学未来館で「出版不況下の科学雑誌を語る 科学雑誌の新しい形を求めて」というシンポジウムを行います。 11月22日から24日にかけて行われる「サイエンスアゴラ2008」の催しものの一つ。 日の科学誌の世界では、「低価格誌やオンライン誌が創刊されるといった動きもみられる」。低価格誌は、たとえば『オルタナ』といったもの。『日経サイエンス』が1400円。『ニュートン』が1000円するなかで、同誌は350円から500円という低価格設定です。また、雑誌のオンライン化としては、社学連携情報誌『ネイチャーインタフェイス』が、発売後時間のたった既刊号記事を無料公開したり、理科教育誌『サイエンス・ウィンドウ』が最初から無料公開をしたり。 こうして構図が新たになっていく

  • にごり酒、作りやすさ故の飲まれにくさ | 科学技術のアネクドート

    酒というと透きとおっていて、さらさらとした「清酒」の印象をもつ方が多いでしょう。いっぽう「にごり酒」という種類もあります。 にごり酒は「どぶろく」ともいわれます。清酒とにごり酒の製造工程は途中まではほぼ同じ。 蒸した米に麹菌を加えると、酵素が出てきます。この酵素は米の成分である澱粉を分解して、ぶどう糖などに分解するはたらきがあります。 つぎの工程で、酵母菌という菌が登場します。糖を発酵させてアルコールにするのが酵母菌。 この段階までは、清酒もにごり酒もまだにごっています。清酒では、発酵が起きると、酒の粕をこしとって透きとおった液体に。その後、殺菌などのために熱を加えるのが主流。いっぽう、にごり酒では、粕のこしとりや加熱処理を行いません。 酒粕には、アミノ酸、ビタミン、ミネラルなどのさまざまな栄養分が入っているため健康的といわれています。 清酒よりにごり酒のほうが、工程段階が少ないため、

  • 置き換えることばを探せ! | 科学技術のアネクドート

    文章指南などでよく指摘される心得のひとつに「一つの文や一つの記事のなかに、何度もおなじことばを使うな」といったものがあります。 「手紙を受けとった。手紙にはこう書かれてあった」よりは「手紙を受けとった。茶色の便箋にこう書かれてあった」などにすべき、といった指摘です。理由はいろいろ考えられますが、おなじことばのくりかえしで文が短調になってしまうのを防ぐため、といったねらいがあるのでしょう。 似た意味でありながら別のことばを探すとき便利なのが類語辞典(シソーラス)です。辞書をインターネット上で引けるように、類語もネットで検索することができます。 株式会社の言語工学研究所は、これまで「シソーラス(類語)検索」の提供をしてきました。キーワード欄にことばを入れると「同義語」「広義語」「狭義語」「関連語」「反義語」の一覧を見ることができます。 たとえば「科学」と入れると、同義語は「サイエンス」、広義語

  • あまりに知られざる日本最古の神社建築 | 科学技術のアネクドート

    に現存する最古の神社建築はどこでしょうか。伊勢神宮でも、出雲大社でもありません。 京都・宇治市にある宇治上神社(うじがみじんじゃ)です。5世紀頃の応神天皇、その皇子の菟道稚郎子、そして兄の仁徳天皇が奉られています。 地元の人や歴史に詳しい人であれば、宇治上神社の名は知るところでしょう。しかし、知名度はあまり高いとはいえません。ホームページ検索でも、"伊勢神宮"1,090,000件、"出雲大社"2,890,000件に対して、"宇治上神社"はわずか42,100件しかありません。 神社建築は一般的に、礼拝を行うための手前にある「拝殿」(画像)、神に供える麻布を置く「幣殿」、神霊を奉安する「殿」からなります。ただし、宇治上神社には幣殿は見られません。 拝殿は、寝殿造りの風情があり、屋根は茅葺き。神社建築の原型にふさわしいような素朴なつくりです。飾りたてるような要素がほぼありません。 また奥の

  • 直感でわからない数学 | 科学技術のアネクドート

    人の直感と数学的確率との間には、かなりの差がある場合があります。 よく知られているのが「おなじ誕生日の二人がいる確率」です。学校の1学級が23人いると、おなじ誕生日の二人がいる確率はおよそ50%にもなります。40人学級だとおよそ90%の高確率に。 もっと驚かされる話は「モンティ・ホール問題」でしょう。 これは米国の司会業モンティ・ホールがとりしきる「レッツ・メーク・ザ・ディール」という娯楽番組に端を発します。この番組では、参加客のあいだでこんなゲームが行われました。 (1)A、B、Cという三つの扉の向こうに、車、山羊、山羊を無作為に置く。車は“あたり”の景品、山羊は“はずれ”。 (2)参加客が、どの扉を開けるか選ぶ。 (3)司会者モンティ・ホールは、残りの二つの扉のうち、どちらかを開けて、山羊を見せる。このとき、モンティは車がある扉がどれであるかかならず知っている。二つの扉とも山羊である場