2020年に開催の迫る東京オリンピック・パラリンピック。そのメイン会場である新国立競技場の建設計画が、揺れている。 建設計画の目玉であった開閉式の屋根が、オリンピック開催に間に合わないというのだ。5月18日、下村文部科学相は東京都の舛添都知事と会談し、開閉式屋根の設置を五輪後とすることや観客席の一部を仮設スタンドとして規模を縮小することなどを伝える一方、周辺整備にかかる費用500億円の負担を求めた。国が都に対し「納期に間に合わない。しかし費用負担はお願いしたい」と、なんとも無様なお願いをした格好だ。 今回の建築案には、選定当初から様々な疑問が呈されてきた。「アンビルドの女王」とも揶揄されるザハ・ハディド氏の当初プランは、あの自転車用ヘルメットのような奇抜な外観もさることながら、規模も費用もあまりにも大きすぎたのだ。また、安藤忠雄氏が主導する選定過程にも、合理性のなさや不透明さを指摘する声が