ウィルコクソンの符号順位検定 (Wilcoxon signed rank test) とはノンパラメトリック検定のひとつである.名前が似ているウィルコクソンの順位和検定とは異なる検定法なので注意が必要.どちらも2つのデータ間における代表値 (中央値) の差を検定する方法であるが,符号順位検定は得られた2つのデータ間に対応があるときに用いる検定法である.すなわち,ウィルコクソンの順位和検定は,パラメトリック検定でいうところのスチューデントのt検定とかウェルチのt検定に相当するものであり,ウィルコクソンの符号順位検定は,パラメトリック検定でいうところの対応のあるt検定に相当するものであるといえる.パラメトリック検定であるt検定等とは異なり,得られたデータに正規性を仮定できないときに用いられる.本検定法では他のノンパラメトリック検定と同様に,データを順位化して統計的推定を行う.以下に示されるよう