多くの読者の方々にとってロードマップという言葉は特に目新しい言葉ではないだろう。テクノロジーロードマップという言葉や手法は新しいものではなく、随分以前から多くの企業で使われているからである。ところがそれらは、企業レベルでコンセンサスをとった手法にはなっていない場合が多い。企業内で研究者や技術者が自分の研究、開発に関連する技術の将来展望をまとめ、それを自身や自身の属する部署などで研究開発活動の参考として使っていたというレベルではないだろうか。「ないよりはあった方がよいが、なくてもあまり困らない」という性格のものであったのではと思う。 一方で、業界団体や公的団体が作成した、本格的なロードマップというものもある。国際半導体技術ロードマップ(ITRS : International Technology Roadmap for Semiconductors)などはその代表例で、半導体関連業界の研究