原田 今日は「英語教育を考える」をテーマとして皆さんとお話ししたいと思います。 日本では150年以上にわたって、英語教育に関して実に様々な議論がありました。英語教育は、一義的には言語教育ですが、世界における日本の役割や立場、あるいは政治経済、文化や科学技術のあり方にも深くかかわってきます。さらに、海外の情報を得たり、文化について考えるような場面で英語を使うこともあれば、実際に英語を使って交渉し、議論するという場合もあって、英語教育の目的も、英語を使う環境も、実に多岐にわたっています。 日本語という環境の中で生きている以上、すべての国民が、毎日英語を使って仕事をしたり、生活を営んだりするわけではありません。しかし、日本語だけでグローバル化、国際化する現代社会に対応できるかというと、決してそんなことはない。これは、福澤諭吉が、オランダ語では通じないからということで、慶應義塾を英学塾にした当時か
