神田神保町の古書店で、国際電話をかけて中国の知人の意見を聞く李勇さん。これほどの優良な古書を大量に抱える書店は中国にもそうそうないという/東京都千代田区(撮影/編集部・野嶋剛) この記事の写真をすべて見る 「爆買い」といえば、中国などから来た観光客が、日本の家電や生活雑貨を大量に買っていく姿を思い浮かべるはず。だが最近では、「爆買い」ターゲットは様々なものへと広がっている。そのひとつが、「古書」だ。 世界最大の古書街ともいわれる東京・神田神保町。この街で、中国語の古書を求める中国人を見かけるようになったのは、数年ほど前からだ。中国古書では日本屈指とされる「山本書店」の店主、山本實さんは振り返る。 「最初は趣味で買いに来ているのかと思ったら、実は書店さんでした。中国では土地転がしならぬ『本転がし』が起きているようです。あちらでは古書は一種のステータスシンボル。応接間に飾って文化的な雰囲気をつ