大晦日の夜、その人はスーツ姿で都内の炊き出しに並んでいた。 背中には大きなリュック。片手で重そうなトランクを引いている。 並んでいるのは150人ほど。この日は年越しそばが振る舞われたのだ。 炊き出しの列に似つかわしくないスーツ姿の男性になんとなく注目していると、彼は年越しそばを受け取った瞬間、よろめいた。一緒に炊き出しを訪れていた山本太郎議員が駆け寄る。リュックが相当重かったようで体勢を崩したようだ。 とりあえず落ち着いておそばを食べられる場所に山本議員が付き添ったものの、スーツ姿とたくさんの荷物が気になり、炊き出しに来ていたお医者さんに彼の存在を告げると、生活相談・医療相談ができるブースに案内されていった。あとで伝え聞いたところによると、30代の彼はその前日、初めて野宿をしたのだという。 年が変わる数時間前、無事に支援に繋がった彼は、あたたかい場所で新年を迎えられることになった。支援に繋