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  • 第504回:『i-新聞記者ドキュメント-』に、この国の空気を思う。の巻(雨宮処凛)

    最長政権が「桜を見る会」で揺れる中、森達也監督の新作『i-新聞記者ドキュメント-』を観た(試写会じゃなくて自腹切って観た)。 東京新聞・望月衣塑子記者を追ったドキュメンタリー映画である。 感想は、と言えば、むちゃくちゃ面白かった。何しろ空気を読まない森達也が、同じく空気を読まない望月記者にカメラを向けたのだから面白くないわけがない。望月記者におとなげなく「嫌い」という態度を全開にする菅官房長官。いつも彼女の質問を遮る官邸スタッフ。伊藤詩織さんの裁判や森友問題、加計問題、辺野古基地建設問題など全国を飛び回って取材し、政治家や官僚たちに怒涛の勢いで質問をぶつけていく望月記者。その姿は、シビれるほどにカッコいい。 この映画が描くのは、そんな望月記者を通して浮かび上がるこの国の空気だ。そして集団心理や同調圧力、正義の暴走という「ザ・森達也」なテーマに私たちのあり方そのものが問われる。 そんな森さん

    第504回:『i-新聞記者ドキュメント-』に、この国の空気を思う。の巻(雨宮処凛)
    holyagammon
    holyagammon 2019/12/05
    森達也"もしもこの国のメディアが三流ならば、それは社会が三流であることを意味し、政治も同様であることを示している。"
  • 第502回:SAVE THE KOENJI!! デモと路上鍋。の巻(雨宮処凛)

    なんとも高円寺らしいデモだった。 それは11月10日、高円寺で開催された「高円寺再開発反対パレード」。その名の通り、高円寺の再開発を阻止しようと企画されたサウンドデモである。 高円寺再開発問題については、この連載でも何度か書いてきた(再開発「ちょっと待った」イベント、昨年の再開発反対パレード)。 日でもっともカオスを極めた街。平日昼間から泥酔してても誰も気にしない街。というか平日昼間から飲み屋が営業してる街。駅前の路上で常に誰かが酒飲んで寝てる街。そして3・11後、全国に先駆けていち早く「原発やめろデモ」が開催された街。酔っ払いとパンクスとデモが名物の高円寺は私にとっても非常に重要な場で、高円寺の、焼き鳥屋とタバコの煙の混じった綺麗な空気を吸うだけで「ちゃんと生きよう」とか「未来に備えて貯金しよう」なんて気持ちが一瞬で吹き飛び、いろいろどうでもよくなってくる。将来への漠然とした不安よりも

    第502回:SAVE THE KOENJI!! デモと路上鍋。の巻(雨宮処凛)
    holyagammon
    holyagammon 2019/11/27
    "外国人も、そして私のような地方出身者も、有象無象の貧乏人も酔っ払いも、そしてそこに住んでるわけじゃない人も受け入れ、「心のふるさと」にしてしまう街・高円寺。"
  • 第503回:木内みどりさんの訃報。の巻(雨宮処凛)

    木内みどりさんが亡くなった。 11月21日、唐突に報じられた。亡くなったのは18日。出張先の広島で、突然の死だったようだ。と書きながらも、まったく実感がない。悪い冗談のようにしか思えない。 だって、私の知る木内さんはいつも元気でパワフルで明るくてオシャレで、エネルギーに満ちた人だから。 今年の夏の参院選では、れいわ新選組の街宣の司会をいつもやっていて、連日のようにご一緒した。街宣は、毎度のように直前にタイムテーブルが突然変わって、木内さんも私も目を白黒させる日々だった。だけど木内さんはそんなドタバタも楽しんでいる様子で、余裕で現場を回していた。かたや舩後靖彦さんサポートチームの一員だった私は、応援演説に来てくれる車椅子や人工呼吸器の方々の登壇時間が直前に変わることに、いつも舞台裏で一人パニックになっていて、時々そのパニックに木内さんを巻き込んだ。 そんな木内さんと初めて会ったのは、3・11

    第503回:木内みどりさんの訃報。の巻(雨宮処凛)
  • 第501回:障害があっても働きたい〜れいわ新選組、二人の議員の院内集会〜の巻(雨宮処凛)

    「介助者がいなければ、国会に登院できないという事実を記者会見で公表し、皆さんに重度障害者の実態が広まりました。その時の私は、国会議員になって少しでも障害者の皆さんのために活動したいと思っていました。が、いざなってみると、議員になったら介護制度が打ち切られて生活ができなくなるという恐怖でメディアに訴えました」 10月10日、参議院議員会館・講堂に集まった超満員の人々を前に、木村英子議員は述べた。この日開催されたのは、「介助をつけての社会参加を実現するための院内集会〜障害者の完全参加と平等にむけて〜」。主催したのは、れいわ新選組の舩後靖彦議員と木村議員の二人だ。重度障害のある二人が呼びかけた集会には、全国から様々な障害者団体や当事者たちが押し寄せた。しかも、前方に準備された「議員席」には国会議員がずらりと並んでいる。その数、実に22人。活動歴13年の私だが、こんなに多くの議員が参加している院内

    第501回:障害があっても働きたい〜れいわ新選組、二人の議員の院内集会〜の巻(雨宮処凛)
    holyagammon
    holyagammon 2019/10/30
    "欠陥はあれど、障害者の暮らしを守るため、命を守るため、障害者運動が勝ち取ってきたのが重度訪問介護なのだ。だからこそ、それをよりよいものにしていきたいという思いが迸っていた"
  • 第497回:消費税増税に、人参の皮では勝てない理由。の巻(雨宮処凛)

    「首相官邸に人参の皮を大量に送りつけたい」 9月23日、新宿で開催されたデモの参加者が掲げるプラカードには、そんな言葉が躍っていた。 日経済新聞電子版に掲載された「ニンジンの皮もおいしく!増税に勝つべきり術」という記事に対するレスポンスだろう。 この日開催されたのは、「STOP消費税 暮らしを守る緊急デモ」。約1週間後に迫る10%への消費増税に「待った」を突きつけるデモだ。 そうしてこの原稿が更新される頃、すでに消費税は10%に上がっている。 8%から10%への増税。あなたはどう受け止めているだろうか? 「いや、でも日は財源ないっていうし、必要じゃない?」とか言う人が周りに一人くらいいるかと思ったが、残念ながら今回の増税を受け、私はただの一人からもそんな言葉を聞いていない。「もう、ムリ」「もっと消費したい」「台風被害者への追い打ちやめろ」。この日のデモでもそんなプラカードがあったが、

    第497回:消費税増税に、人参の皮では勝てない理由。の巻(雨宮処凛)
    holyagammon
    holyagammon 2019/10/29
    "この30年間で「あぁ、消費税払ってるおかげで社会保障が充実していろんな恩恵があって、こりゃ老後も安心だなー」と思っている人はこの国に存在するだろうか?"
  • 第498回:香港のデモと、あいちトリエンナーレ問題。の巻(雨宮処凛)

    10月1日、香港でデモに参加していた高校生が警察に実弾で撃たれた。 高校生は一命をとりとめたが、当然ながらデモ隊の間には警察への激しい怒りが広がっている。 「覆面禁止法」施行前日の4日には、14歳の少年がやはり実弾で太ももを撃たれ、重体と報じられた。 「逃亡犯条例」改正に反対する大規模デモが始まって、既に4ヶ月。6月13日には、日でも香港政府に抗議し、香港の人々に連帯する集会が行われた。渋谷ハチ公前には2000人が集まり、私は同日、東京・高円寺で開催された集会に参加した。「反送中!」「香港加油!」。路上にはそんな言葉が書かれた横断幕が広げられていて、香港をはじめいろんな国の人がかわるがわるスピーチし、今、香港で何が起きているかを語ってくれた。 また、6月に大規模デモが始まって以来、友人、知人の多くが香港を訪れてデモに参加したり現場を取材したりしている。 「日だっていつ自由が侵害されるか

    第498回:香港のデモと、あいちトリエンナーレ問題。の巻(雨宮処凛)
    holyagammon
    holyagammon 2019/10/29
    "私も勧められて、マイクを握った。自然と口をついて出てきたのは、今回の補助金不交付という事態は、第二次安倍政権がこの7年かけてやってきたことの「総仕上げの始まり」ではないかということだ"
  • 第499回:台東区が避難所にホームレス受け入れ拒否。の巻(雨宮処凛)

    「地球史上最大規模」とも言われた台風19号が関東に迫る中、信じられないことが起きた。 関東が暴風雨と大雨に晒されていた10月12日、東京都・台東区の避難所で、ホームレスの人が受け入れを断られたのだ。ホームレス支援をしている一般社団法人あじいるがその件をネットで発信すると、瞬く間に拡散された。受け入れ拒否の理由は区民が優先、住所がないから、など。あじいるのtweetにはこうある。 「台東区長が部長の台東区災害対策部に問い合わせると、『今後避難準備・避難勧告が出る可能性があるが、ホームレス(住所不定者)については、避難所は利用できないことを対策部で決定済み』と言われました。事実上、台東区の災害対策は、ホームレスを排除しています」 台風接近を受けて、ここ数日ずっと「命を守る行動を」という言葉を耳にしてきた。「とにかく命が最優先」「危険を感じた場合はすぐに避難すること」「安全な場所に身を置く

    第499回:台東区が避難所にホームレス受け入れ拒否。の巻(雨宮処凛)
    holyagammon
    holyagammon 2019/10/28
    "「おんなじいのち」と、常に声を大にして、テントにも大きく書いておかないと、そんなことすら理解してもらえない。同じ命という扱いを受けられない。それが、この国のホームレスを巡る実態"
  • 第500回:なぜ、透析は再開されず、彼女は死んだのか? 〜福生病院透析中止事件〜(雨宮処凛)

    「とうたすかかか」 この言葉は、人工透析を中止した女性が夫に送ったメールだ。「とう(父)、たすけて」と打とうとして「たすかかか」となったらしい。メールが打たれたのは2018年8月16日午前7時50分。この約9時間後、女性は死亡している。 死亡した44歳の女性・Aさんは5年ほど前から人工透析をしていたという。が、死の数日前、福生病院の医者から「透析をやめる選択肢もある」ことを告げられる。女性は透析をやめたものの、亡くなる2日前、苦しくなって入院。「こんなに苦しいなら透析した方がいい、撤回する」と意思表示をしたが、それが聞き入れられることなく死亡した。 19年3月、このことが報道されて以来、ずっと気になっていた。日が経つにつれ、福生病院の透析中止にまつわる報道は増えていった。彼女のように透析を中止して亡くなった患者が他にもいること、また、最初から透析をしない「非導入」で亡くなった患者が20人い

    第500回:なぜ、透析は再開されず、彼女は死んだのか? 〜福生病院透析中止事件〜(雨宮処凛)
    holyagammon
    holyagammon 2019/10/28
    "「透析やめる選択もあるよ(死ぬけど)」→「やめます」→「在宅でお看取りです」って、なんかものすごく大切な部分を何段階もすっ飛ばしてないか? 夫が「意味がよくわかりませんでした」というのも納得だ。"
  • 第494回:命の選別は「仕方ない」のか? 〜『この国の不寛容の果てに 相模原事件と私たちの時代』。の巻(雨宮処凛)

    ホーム 雨宮処凛がゆく! 第494回:命の選別は「仕方ない」のか? 〜『この国の不寛容の果てに 相模原事件と私たちの時代』。の巻(雨宮処凛) “今、この国を表す言葉をひとつ挙げてみよ”。 そう問われたら、あなたはどんな言葉を挙げるだろうか。 私が迷わず挙げるのは、「不寛容」という言葉だ。ゼロトレランスとも呼ばれるその言葉は、今のこの国の窮屈さ、息苦しさ、生きづらさなどなどを象徴しているように思う。 そんな「不寛容」さは、あらゆるところで幅を利かせている。 収まる気配のない生活保護バッシングや貧困バッシング。在日外国人へのヘイトや嫌韓、嫌中という言葉。ワイドショーで堂々と韓国ヘイトや女性差別を繰り広げる高齢男性。「たらたら飲んでべて、何もしない人の金(医療費)をなんで私が払うんだ」という麻生大臣の発言や、過労死も過労自殺も病気になるのも「自己責任」という空気。「生産性」ばかりを求め、どれほ

    第494回:命の選別は「仕方ない」のか? 〜『この国の不寛容の果てに 相模原事件と私たちの時代』。の巻(雨宮処凛)
    holyagammon
    holyagammon 2019/09/28
    "生活保護バッシングや公務員バッシングはするのに、タックスヘイブンの問題には決して怒ったりしないこの国の善良な人々がまとうマイルドな優生思想は、じわじわとこの国を侵食している。"
  • 第495回:カオス! 高円寺再開発「ちょっと待った!」イベント。の巻(雨宮処凛)

    ライヴハウスの両脇には、椅子に座ったおじいちゃんおばあちゃんがたくさんいた。 9月4日。高円寺ショーボート。 この日開催されたのは、「高円寺再開発ちょっと待った」イベント。 高円寺の再開発に反対する人々や高円寺を愛する人、その辺の暇人やその他もろもろが集まったのだ。 高円寺再開発の話は以前からあり、昨年9月には再開発反対デモも開催されている。その顛末についてはこの連載の460回、「『マヌケを守れ!』〜高円寺再開発反対パレード」に書いたのでぜひ読んでほしいのだが、高円寺を再開発なんてトンデモないというのは、高円寺を知る人であれば誰もが頷くテーマではないだろうか? 駅前広場を「自宅リビング」として使うがごとく、やたらと路上で宴会が繰り広げられている街。暇人と酔っ払いに優しい街。平日昼間から酒飲んでても誰にも咎められない街。というか平日昼間から飲み屋が開いてる街。そんな高円寺の再開発には「高円寺

    第495回:カオス! 高円寺再開発「ちょっと待った!」イベント。の巻(雨宮処凛)
    holyagammon
    holyagammon 2019/09/27
    "私がこの日驚いたのは、集まった杉並区民の人たちが「杉並区議にやたら詳しい」という事実""再開発。それを巡って揉めることが多いのは、のでぃ氏が言うように、決めるのはいつだって「そこにいない人たち」だから"
  • 第496回:名付けられない空気の問題〜暴走する言葉〜の巻(雨宮処凛)

    台風被害が深刻な9月11日、第4次安倍第2次改造内閣が組閣された。 「千葉の惨状を放置して組閣かよ」という非難の声と同時に、その布陣にも疑問の声があちこちから上がっている。 IT担当大臣が78歳の「はんこ議連」議員だったり、文科大臣がよりによって疑惑だらけの萩生田光一氏だったり、「気候変動問題はセクシー」発言で何かを極めた感がある小泉進次郎氏が環境大臣だったり。その上、今井絵理子氏が内閣府政務官に抜擢され、防災、原子力、宇宙開発、男女共同参画など17分野を担当するというのだからいろいろ不安でたまらない。 だけどそういうことに対して、いちいち「気で」怒る気力も湧いてこない。なぜなら、どれほど怒りを表明しようとも、政治に関心のない大多数の層からしたら、「意味不明な理由でギャーギャー文句を言うだけのヤバい奴」にしか見えないことを、嫌というほどわかっているからだ。 「野党がクレーマーにしか見えな

    第496回:名付けられない空気の問題〜暴走する言葉〜の巻(雨宮処凛)
  • 第493回:「特攻隊や戦死者をどう思うか」という検定試験・第74回。の巻(雨宮処凛)

    「『特攻で死んだ人に失礼ではないか』『彼らのおかげで今の日がある』などと言ってくる人がいます。どうして、そんな軽々なことを言えるのか。特攻を命じた指揮官たちと変わりませんよ」 終戦の日、Twitterのタイムラインに流れてきた言葉にドキッとした。保阪正康氏の2014年のインタビューから抜粋された言葉である。 彼らのおかげで今の日がある。彼らを貶めるな。まさに、私自身が思っていたことだったからだ。そんなことを思っていたのはもう20年以上前。20代前半、右翼団体に2年間入っていた頃のことだ。1997〜99年頃の話である。 右翼団体に入った翌年の98年、小林よしのり氏の『戦争論』が発売された。特攻隊を勇敢に描くその漫画を、私も、右翼団体のメンバーの多くも貪るように読んでいた。それだけじゃない。『戦争論』発売後には、私のいた右翼団体に若者たちが大挙して入ってきた。多くが『戦争論』を読んでいた。

    第493回:「特攻隊や戦死者をどう思うか」という検定試験・第74回。の巻(雨宮処凛)
    holyagammon
    holyagammon 2019/08/23
    "勝手に主語を「英霊」にすると、なんだって正当化できてどこまでも暴走できてしまう。そこに自分の責任などない、すべては英霊が「望んだこと」にしてしまえる。"
  • 第492回:相模原事件から3年、重度障害者が国会議員となった夏。の巻(雨宮処凛)

    3年前の夏を、私は最悪の気持ちで過ごした。 それは、2016年7月26日、相模原の障害者施設で19人が殺害されるという事件が起きたからである。 「障害者は不幸を作ることしかできません」 衆院議長に宛てた手紙にそう綴った植松聖被告は「私は障害者総勢470名を抹殺することができます」と冒頭に書き、それが「革命」であり、「世界経済の活性化」、また「格的な第三次世界大戦を未然に防ぐ」ためのものだと訴えた。そんな手紙を送ったのち、彼はあの凄惨すぎる事件を起こした。 事件から2ヶ月後、アナウンサーの長谷川豊氏はブログで以下のように書いた。 「自業自得の人工透析患者なんて、全員実費負担にさせよ! 無理だと泣くならそのまま殺せ!」 ブログは大炎上し、長谷川氏は仕事を失ったがその後「日維新の会」の公認候補となった。そうして17年の衆院選に出馬し、落選。19年1月に再び日維新の会の公認候補となるものの、

    第492回:相模原事件から3年、重度障害者が国会議員となった夏。の巻(雨宮処凛)
    holyagammon
    holyagammon 2019/08/08
    "二人を支えたいと多くの障害者たちが名乗りを上げ、サポートチームを作ろうなんて話をしている。長年障害者運動をしてきた当事者の知識と行動力には目を見張るばかりで"
  • 第491回:「存在するだけ」で国会を、この国を変えていく れいわ新選組の新人議員。の巻(雨宮処凛)

    党首落ち 当選の嬉々なかりけり 議員なれたは太郎の力 晩年の麻痺の身体つかうこと 党の隆盛なることと決め 二院制 衆参二つ 優越は 衆議院なり人送り込め!!! この短歌は、参院選で当選したれいわ新選組・舩後靖彦さんが選挙のあとに書いたものだ。 7月24日、舩後さんの自宅に行った際、見せてもらった。当選から3日後のこの日に舩後さん宅を訪れたのは、参議院の職員たちが聞き取りに訪れることになっていたから。そこに私も同席したのだ。いわば「国会バリアフリー」が大きな一歩を踏み出す歴史的瞬間に立ち会ったというわけである。 ALSで全身麻痺、人工呼吸器をつけた人が国会議員になるなど世界初、そして人類初のことである(※)。意思表示は? 移動は? 介助人は? 緊急事態の場合の対応は? などなど、考えるべきこと、確認しておかなければならないことは無数にある。そしてそのすべてが、国権の最高機関・国会のバリアフリ

    第491回:「存在するだけ」で国会を、この国を変えていく れいわ新選組の新人議員。の巻(雨宮処凛)
    holyagammon
    holyagammon 2019/07/31
    "「働くなら自腹でヘルパー代負担してください。前例として舩後議員、木村議員のケースがあります」ということになれば、超富裕層の障害者しか働けないだろう。"
  • 第490回:重度障害者二人が国会に!! れいわ新選組の快進撃。の巻(雨宮処凛)

    2019日7月21日。おそらく世界初の「ALSの国会議員」が誕生した。 れいわ新選組・特定枠1位のふなごやすひこさんだ。 特定枠2位の重度障害者・木村英子さんも当選となった。 比例3位だった山太郎氏は、90万票以上を取りながら落選。ぶっちぎりで過去最多の票を獲得した落選者という伝説を作った。 そうして2議席を獲得したれいわ新選組は、政党要件を獲得した。 開票後の記者会見で、ふなごさんは「当に今日というこの瞬間が来たことに胸がいっぱいです」とスピーチで述べた。 「さて、私はこの選挙期間中、山代表の合理的配慮の実践の数々に触れました。新橋では、私の乗る大型車椅子に人がぶつかるからこの位置にいてほしいと自ら警備スタッフの方に声をかけたり、新宿では介護スタッフに椅子を出したりしていました。 この優しさにつながる合理的配慮を実践する男、山太郎こそ、これから我が国を、日を優しい国にする人です

    第490回:重度障害者二人が国会に!! れいわ新選組の快進撃。の巻(雨宮処凛)
    holyagammon
    holyagammon 2019/07/25
    "選挙戦が始まってみれば、連日、最前列には続々と車椅子が増えていった。また、ALSや、車椅子の重度障害者たちがふなごさん、木村さんの応援にために駆けつけてくれた。"
  • 第489回:大盛り上がりの「れいわ祭り」と、これ以上増やしたくないロスジェネの「手遅れ」。の巻(雨宮処凛)

    ホーム 雨宮処凛がゆく! 第489回:大盛り上がりの「れいわ祭り」と、これ以上増やしたくないロスジェネの「手遅れ」。の巻(雨宮処凛) 「投票に行きましょう。現政権の横暴を止めるために、山太郎に、れいわ新選組に、あるいは、野党共闘の候補者に一票を投じましょう。 有権者が無知で無関心でいる限り、悪政は続くでしょう。礼儀正しく、大人しく、他人を攻撃せず空気を読む、そんな人々の沈黙の同意によって不正や陰謀が見逃されるのです。政治には期待しないとか、何を言っても無駄だとか言っている場合ではもはやありません」 「良識ある議員は、もはや少数派です。太郎とその仲間たちは、最後の頼みの綱なのです。太郎さんは現在の悪政を正し、若者や子どもたちに押し付けられる負債を減らそうと奔走しています。こんなにコスパのいい議員がほかにいますか? こんなお得な男がいますか?」 「大化の改新ならぬ、『れいわの改新』を実行する

    第489回:大盛り上がりの「れいわ祭り」と、これ以上増やしたくないロスジェネの「手遅れ」。の巻(雨宮処凛)
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    holyagammon 2019/07/18
    "特に今回の選挙はれいわ新選組だけでなく、本当に魅力的な野党候補が多く出馬している。これまでにないほど多彩な当事者が、自分の言葉で語っている。だからこそ、刺さる"
  • 第488回:山本太郎が霞む!「れいわ新選組」候補者たちの魂の叫び!! の巻(雨宮処凛)

    「2016年7月、あの相模原障害者施設殺傷事件が起こりました。事件を起こした植松被告は、津久井やまゆり園職員に『重度障害者は生きていても仕方がないので、安楽死させた方が良い』と話し、衆院議長宛ての手紙に『障害者は不幸を作ることしかできません』と書いたと報じられています。この『重度障害者は生きていても仕方がない』という文節を、“なぜなら”という接続詞でつないで理由を言えば、『重度障害者は生きていても仕方がない。なぜなら、生産性のない重度障害者は生きている価値がないから』と、なるのではないでしょうか?」 「危機感を覚えた私は、教育面からこの考えを芽生えさせないように、この話を不特定の大学でしてきました。これは、あまりにも非効率です。ところが、この度、直接文科省とこれについて話せるかもしれない、千載一遇のチャンスが、善い縁からもたらされました」 「スローガンは、『強みは、障害者だから気づけること

    第488回:山本太郎が霞む!「れいわ新選組」候補者たちの魂の叫び!! の巻(雨宮処凛)
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    holyagammon 2019/07/10
    "これって3・11以降の様々な運動の、ひとつの大きな成果なのではないだろうかと。だって10年前だったら、野党の候補者にこれほど素晴らしい人々が揃うなんて、考えられなかった"
  • 第487回:れいわ新選組、怒涛の当事者候補大作戦!! の巻(雨宮処凛)

    参議院選挙が迫っている。そんな中、あらゆるところで「山太郎現象」なる言葉を聞く。 そんな山太郎議員が旗揚げした「れいわ新選組」の候補者に今、大きな注目が集まっている。 すでに発表された蓮池透さんはご存知だろう。拉致被害者である蓮池薫さんの兄にして、元東電社員。拉致被害者家族でありながら、太郎氏が政治に目覚めるきっかけとなった「原発」に東電社員としてかかわっていたという稀有な立場だ。 れいわ新選組の候補者として6月末、新たに二人が発表された。 一人は、安冨歩氏。東大教授であり、女性装でも知られる氏は昨年、埼玉県東松山市の選挙に出馬。馬やちんどんミュージシャンたちと繰り広げたお祭りのような前代未聞の選挙を覚えている人も多いだろう。そんな安冨氏のインタビューなどを私は様々な媒体で読み、「生きづらさ」を体現する人物として、そして「男らしさ」「女らしさ」などの壁をぶち破る存在として、非常にリスペ

    第487回:れいわ新選組、怒涛の当事者候補大作戦!! の巻(雨宮処凛)
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    holyagammon 2019/07/03
    "「障害者差別解消法」はできたけれど、それをより進め、よりよいものにして、みんなが住み良い、生きやすい社会にしていくことができるのは、やはり障害がある人なのだ。その人たちが政策立案に関わることなのだ"
  • 第486回:6月11日、3度目のフラワーデモ。の巻(雨宮処凛)

    「私は16歳の時に、集団レイプの被害に遭いました。それはその後の私の人生を大きく変えました。進学することもできなくなり、その後2年ほどは乖離状態になって、自分がどんなふうに過ごしてきたか、はっきり思い出すこともできません。被害を打ち明けても『忘れた方がいい』と言われ、私にも悪いところがあったのではないか、忘れるしかないと思ってきました。そうしなければ生きてこられませんでした。 でも、忘れることなんてできるわけありません。人にも社会にも何も希望を見出すことができず、あの時殺されていればよかったとリストカットや自殺未遂を繰り返した時期もありました。そして数えきれないほどの二次被害を受けました。でも、私はサバイブしなから生き延びました。そして今日、ここに来ることができました」 性暴力被害者と支援者からなる「スプリング」の女性が自身の体験を読み上げると、大きな拍手が上がった。6月11日。この日開催

    第486回:6月11日、3度目のフラワーデモ。の巻(雨宮処凛)
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    holyagammon 2019/06/19
    "午後7時に始まったフラワーデモは9時半頃まで続いた。2時間半だ。それだけ、私たちには語りたいことがある。言葉にすることで、みんなでシェアすることで、癒される場所がある"
  • 第485回:『つみびと』から、大阪二児置き去り死事件を思う。の巻(雨宮処凛)

    痛ましい児童虐待事件が続いている。 昨年、目黒で命を奪われた5歳の結愛ちゃん。そして今年、千葉県野田市で虐待の末亡くなった10歳の心愛ちゃん。また、最近も札幌で2歳の女の子が衰弱死し、母親と交際相手の男が逮捕されている。女の子の体重は、2歳児の平均を大きく下回っていたという。 年間の虐待件数は13万件を超え、そのうち、死亡したのは49人。主たる加害者でもっとも多いのは実母で、全体の61%を占めているという。 そんな児童虐待について考える時、必ずと言っていいほど思い出すのはあの事件だ。 2010年夏、大阪マンションに子ども二人を置き去りにして死なせたシングルマザーが逮捕された事件。クーラーもつけない部屋で、飢えと渇きの果てに幼い子ども二人が亡くなったというあまりにも痛ましい事件。日中の人々が胸を痛め、そうして母親・A子が猛烈なバッシングに晒された。風俗店で働いていたことやホスト通いなど

    第485回:『つみびと』から、大阪二児置き去り死事件を思う。の巻(雨宮処凛)
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    holyagammon 2019/06/15
    "そして同時に思うのだ。なぜ、子を孕ませた男側が責められ、罪に問われることはないのだろう、と。"