わが国屈指の日本・東洋美術館、林原美術館(岡山市北区丸の内)が、林原(同下石井)=会社更生手続き中=の経営破綻で揺らいでいる。旧岡山藩主池田家関係品など収蔵資料の中に、同社や個人の名義品が含まれ、債務処理の過程で散逸する可能性があるためだ。「何としても“岡山の宝”を守ってほしい」―。近くスポンサーが決定する見通しの中で、地元関係者からは切実な声が上がる。 同社前社長の父、故林原一郎氏の収集品をベースに1964年開館した同美術館(総収蔵数約1万件)。国指定品は県内随一の29件(国宝3、国重要文化財26)。国内有数の大名道具コレクションなどで全国にその存在を知られている。 収蔵品の大半を占める「財団法人林原美術館」の所有品は、会社更生手続きの影響を直接受けることはない。一方、個人、同社の名義分(計約1400件)は、資産整理の余波を受ける恐れがある。現在、更生管財人の管理下にある同社名義品に対し