ギリシャで、財政緊縮策の受け入れを争点に行われた国民投票は、緊縮策への反対が61.29%と、賛成の38.7%を大きく上回りました。チプラス首相は「民主主義が勝利した。ギリシャ国民は、ヨーロッパと、持続可能な支援策を交渉する力を与えてくれた」と述べています。 一方、日本のマスコミは、ギリシャの年金はじめ社会保障への公的支出が多すぎる放漫財政だから赤字が膨らみ財政危機になるのだというような論調が目立ちます。本当にそうなのでしょうか? いくつか客観的なデータを紹介しておきます。 まず、OECDによる公的社会支出(社会保障への公的支出)の国際比較です。ギリシャ危機は、2009年10月から始まっていますから、2009年前後のギリシャの公的社会支出(対GDP比)を見ると、下の表になります。 上の表を見て分かるように、ギリシャ危機が始まる前の2007-2008年の公的社会支出は21.9%で、OECD34