■問題を集める とはいえ、何から始めてよいやらと考えてしまう。最初のステップは「問題を集める」ことである。簡単なプロセスである。 しかし、われわれは誰しも、問題に遭遇すると気が重くなり、厄介で面倒なことが降りかかったと感じる。ところが、この問題がわれわれに新たな可能性を与えている。いわば「宝の山」なのだ(図1)。 これは、誰もが知っている過去の社会問題とその克服結果を見れば明らかだ。例えば、ヘドロや有害物質で汚れた河川や海とその再生、喘息(ぜんそく)を引き起こした「大気汚染」という公害問題と環境再生、石油危機というエネルギー問題と省エネの実現、大量のごみという環境問題とリサイクルシステムの確立、などである。もちろん、その当時問題発生を予見できていたのであれば、発生を予防しなければならなかった。予見や予防の欠如もまた、それ自身、大きな問題であったといえよう。 このように、われわれは問題と問題