JR東海が計画するリニア中央新幹線の駅誘致に、京都府・市が躍起になっている。「奈良市付近」となっている現行ルートに対し、「京都の方が経済効果が高い」と変更を訴えるが、奈良側は「もう決まったこと」と取り合わず、むしろ県内の誘致合戦が過熱する。リニア誘致を巡る古都のさや当ての行方は――。 「リニアを、京都へ。」「このままでは京都を通りません」 買い物客や観光客らが行き交う京都市営地下鉄四条駅。21日から、府や市、府商工会議所連合会などでつくる協議会がエスカレーターに掲示した広告には、リニア誘致を呼びかけるキャッチフレーズが躍る。年末まで掲げられ、市バスの車体広告などでもPRする。 国は2011年5月、災害時に東海道新幹線に代わる大動脈を確保する狙いから奈良ルートとする整備計画を決定。京都誘致を目指す同協議会は1990年の設立後、休眠状態だったが、東京―名古屋間が着工される14年度をタイムリミッ