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ブックマーク / tmaita77.blogspot.com (10)

  • 母子家庭・父子家庭からの非行少年出現率

    子育て年代の離婚率の増加もあって,最近では,18歳未満の子どもの7人に1人が,一人親世帯の子です。 日は,一人親世帯に困難が凝縮する社会で,子どもの貧困率は,子ども全体では6人に1人ですが,一人親世帯に限ると半分を超えます。一人親世帯の子どもの貧困率は,世界でトップです。子どもの貧困率の増加は,一人親世帯が増えていることにもよります。 経済的に苦しい状況に置かれるわけですが,そういう生活条件が,子どもの育ちに影を落とすこともあります。問題行動の頻度とも関連しており,非行との相関については,データではっきりと可視化できます。 家庭環境と非行というのは,犯罪社会学の古典的テーマで,この分野の入門書を開くと必ず,「家庭環境」というチャプターが設けられているはずです。その関連の仕方というのは,親子関係の有様ののような,情緒的・内面的な部分に注視されがちですが,もっと基底的な家庭の形態面(構造面)

    母子家庭・父子家庭からの非行少年出現率
  • 人はどの県に移るか

    地方創生の推進と相まって,「移住先に選ばれる県はどこか?」という類の記事をちらほら見かけます。ふるさと回帰支援センターの調査によると,2016年の移住希望先1位は山梨県,2位は長野県だそうです。 http://news.livedoor.com/article/detail/12700774/ なるほど,住みよい県のランキングでも上位によく挙がる県ですので,さもありなんです。しかるに,口先の意見ではなく,実際に人がどう動いているかの統計を観察するのもいいでしょう。 どれほど地域が人を呼び込んでいるかを測る人口移動の指標として,転入超過率がよく使われます。ある年の転入者数から転出者数を差し引いた数(転入超過数)を,当該年の初頭の人口で除した値です。 2016年の東京の30代(日人)を例に,この指標を計算してみましょう。同年中の転入者は9万1,512人,転出者は9万1,198人ですので,分子

    人はどの県に移るか
  • 県別・性別の大学進学率(2015年春)

    この記事では,2013年春の県別・性別の大学進学率を出していますが,データを更新して,今年春の同じデータを作ってみました。男女差を分かりやすくするため,男子の進学率が女子の何倍かという倍率も添えました。 大学進学率は,各県の推定18歳人口に占める,当該県出身の4年制大学入学者の比率です。分子には過年度卒業生(浪人経由者)も含みますので,浪人込みの進学率ということになります。詳しい計算方法は,冒頭のリンク先の記事をご覧ください。文部科学省の「学校基調査」でも採用されている,公的な算出方法です。

    県別・性別の大学進学率(2015年春)
  • 孤独死の統計

    誰にも看取られずに死んでいく・・・。近年,注目を集めている孤独死ですが,その量が統計で表現されることはあまりないようですので,ここにてそれをしてみようと思います。いずれも,官庁統計のデータを加工して作成したものです。 まず,全国で起きている孤独死の近似数(相似数)ですが,厚労省「人口動態統計」の死因統計の死因カテゴリーに,「立会者のいない死亡」というものがあります。死亡時に立会者がおらず,死因を特定できない者です。 http://www.mhlw.go.jp/toukei/list/81-1.html 2013年のデータで見ると,同年中の当該カテゴリーの死亡者は2371人となっています。同年10月時点の総人口(1億2730万人)で除すと,人口100万人あたり18.6人という出現率です。この2371人の性別・年齢別内訳をグラフにすると,下図のようになります(年齢不詳は除く)。 ピークは60代

    孤独死の統計
  • 進学先は首都圏か関西圏か

    北陸新幹線が開通したことにより,北陸地方と東京がより短時間で結ばれることになりました。結構なことですが,関西圏の人たちは心境複雑のようで,大阪府の松井知事は「東京と北陸が新幹線でつながるとこちらが不利」と漏らしています。 http://news.livedoor.com/article/detail/9888447/ しかし,より危機感を抱いているのは,ほかならぬ大学関係者かもしれません。大学進学段階では地域移動が激しくなりますが,北陸地方といえば,首都圏と関西圏が常に拮抗しているところ。関西の大学にすれば,入学者の供給源を奪われることにもなりかねません。 これからどうなるかは,神のみが知るところですが,ちょっと現状分析をしてみましょう。文科省の「学校基調査」から,各県の高校出身の大学進学者が,どこの大学に進学したかを知ることができます。 http://www.mext.go.jp/b_

    進学先は首都圏か関西圏か
  • パソコンを持たない若者

    私は大学で調査統計の授業(3年生対象)を持っていますが,エクセルで簡単な棒グラフを作れない学生さんが結構いることに驚いています。 話を聞くと,「エクセルなんて,1年時のコンピュータ活用の授業以来,全然開いていない。きれいさっぱり忘れた」とのこと。それどころか,パソコンに触れることもあまりないのだそうです。じゃあ,彼らの生命線ともいえるネットはどうしているのかというと,言わずもがなスマホなどの小型機器です。仲間との通信,買い物,情報収集などはこれで十分。 私などはその逆で,ケータイもスマホも持ちませんが,卓上のパソコンは必需品です。ネットはスマホでもできますが,私は目が悪いので,小さい画面はきつい。それに生業であるデータ分析や原稿執筆は,パソコンでないとどうにもなりません。 私は,若者のデジタル事情について興味を持ち,データで実態を明らかにしてみました。国際比較によって,わが国の状況を相対化

    パソコンを持たない若者
  • 無業者の自殺率

    自殺とは「孤立の病」であるといわれます。「人は集団に属さずして,自分自身だけを目的にして生きることはできない」。デュルケムの名言ですが,あらゆる縁から隔絶されている人間の自殺率がべらぼうに高いことはよく知られています。 縁といっても,血縁・地縁などいろいろありますが,職業生活の比重が増している現代では,職縁,つまり職業集団に属しているかどうかが大きいと思われます。デュルケムも,自殺の防止に際して職業集団の役割を強調していますしね。 今回は,生産年齢人口の自殺率が,有業か無業かによってどう変異するかをみてみようと思います。こういうデータは,当局の白書等で公表されていないようですので,みなさんの参考になればと存じます。 まずは分子の自殺者数ですが,厚労省の『人口動態職業・産業別統計』から,2010年度間の自殺者数を有業・無業別に知ることができます。私の属性(30代後半男性)でいうと,有業者の自

    無業者の自殺率
  • 都道府県別の大学進学率

    現在では同世代の2人に1人が大学に進学しますが,大学進学率は,この2年間続けて下がっている模様です。2011年春が51.0%,2012年が50.8%,そして2013年が49.9%なり。 これは浪人込みの進学率ですが,浪人込みの率なんて出せるのか,という疑問もあるかと思いますので,当局の計算方法を説明いたしましょう。 大学進学率とは,同世代のうちどれほどが大学に進学したかという指標です。ベースは高卒者ではありません。文科省の『学校基調査』からこの値を計算する場合,当該年に大学に入った者の数を,推定18歳人口(3年前の中学校・中等教育学校前期課程卒業者)で除すことになります。 http://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/chousa01/kihon/1267995.htm 分子の大学入学者数には,より上の世代(いわゆる浪人生)も含まれますが,当該年の18歳人口から

    都道府県別の大学進学率
  • 学歴別の刑務所入所率

    2月26日の記事では,配偶関係別の刑務所入所率を明らかにしました。今回は,学歴別のそれを計算してみようと思います。学歴は,所得や職業と並んで,社会階層を構成する重要な要素です。今回の作業は,社会階層と犯罪率という,犯罪社会学の重要問題にも通じるかと思います。 2010年の法務省『矯正統計年報』によると,同年中に刑務所に新たに入所した者の数は27,079人です。この27,079人の学歴構成を整理してみましょう。男女別の統計を掲げます。下記サイトの表34より数字をハントしました。 http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/List.do?lid=000001076421 男女とも,中学校卒業というカテゴリーが最も多くなっています。男性入所者では42.1%,女性入所者では37.6%を占めます。均すと約4割。刑務所入所者の5人の2人が,中卒の学歴ということになります。 当

    学歴別の刑務所入所率
  • 図書館職員の非正規化

    私は公共図書館をよく使いますが,職員さんの名札に「臨時」という文字を見かけることが多くなったように思います。また,ちょっと専門的な調べ事の相談を持ちかけた際,「専任の人が今日は休みなので・・・」と困惑されたことがあります。 「非正規化」とは,今の日の企業社会を風刺するキーワードですが,公の世界も例外ではありますまい。「官製ワーキングプア」という言葉だってあります。今回は,自分が日頃お世話になっている図書館職員さんの生態をちょっと解剖してみようと思います。 社会教育施設である図書館の基統計は,文科省の『社会教育調査』に載っています。公共図書館の職員数は,1990年では16,331人であったのが,2011年では32,402人にまで増えています(指定管理者職員は除く)。ほぼ倍増です。図書館業務の拡張によるものでしょう。 http://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/

    図書館職員の非正規化
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