竹内外史の「数学から物理学へ」という本が理物の図書室にあった。ところが、これ明らかにコピー本で。 まえがきが面白かったので引用しておく。 リストがショパンとリストの音楽について尋ねられた時に次のように返事をしたといわれている。 "リストはショパンになれるが、ショパンはリストになれない。" これは物理学者と数学者にもいえるかも知れない。"物理学者は数学者になれるが、数学者は物理学者にはなれない。" 物理学者は目的に急行でつっ走ろうとする。したがって物理学者の数学書に対する苦情はたった一つのことを知りたいのに十のことを勉強させられたという苦情である。尤も物理学者はこの事を'数学は抽象的過ぎる'と表現する。しかし必要とならば、どんな抽象的なことも物理学者にとっては物の数ではない、易々と使いこなしてしまう。事実理論物理学者が一度必要となって現代数学を使い出すとその活用度は物凄く見るだに逃げ出したく