編集部からのお知らせ: 本記事は、書籍『パンクする京都 オーバーツーリズムと戦う観光都市』(著・中井治郎 、星海社新書)の中から一部抜粋し、転載したものです。京都在住の社会学者による、観光客の殺到による社会・経済問題「オーバーツーリズム」の提起をお読みください。 2019年5月。ちょうどこの本の企画について編集者とのやりとりがはじまった頃、「エベレストでさらに4人死亡」というニュースが目にとまった。よくある山岳事故のニュース、ではなかった。それはとても奇妙な事故だった。エベレスト山頂付近で続発する死亡事故について犠牲者のうちの1人のインド人登山者の死が報じられていたが、奇妙なのはその死因である。その不幸な登山者の死因は、エベレスト山頂付近で「12時間以上の混雑」に巻き込まれたことによる極度の疲労だったのである。 そして記事に添えられた写真に目を疑った。澄んだ青空を背景に鋭く切り立つエベレス
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