2019年のJ1を制したのは横浜F・マリノスだ。このクラブの筆頭株主は日産自動車だが、シティ・フットボール・ジャパン株式会社も資本参加し、そのノウハウを提供している。J1王者は監督、選手の選定などでグローバル化の利を得ていた。Jリーグは望む望まざるにかかわらず、ヨーロッパを中心とする「世界」に引っ張られ、渦に巻き込まれる。 ジェブエンターテインメントの代表を務める田邊伸明氏は代理人として主張をクラブにぶつけ、ときに煙たがられながらこの国のクラブ経営に影響を与えてきた。選手の利益を実現するため行動だとしても、それが結果的に日本サッカーの針を進めた。 若手の海外移籍を「流出」と悲しむ人もいるだろう。サッカーが国内で完結していれば代表強化はもっと楽だったし、我々は久保建英や大迫勇也のプレーをJリーグで楽しめていた。しかしグローバル化が抗えない力を持つ以上、選手やクラブは変化を前向きに受け止めて、