神戸が生まれ変わる-。そんな高揚感が街を包む。神戸市の中心部、三宮のあちこちでビル建設の音が響き、一つまた一つと姿を現している。官民で取り組むプロジェクト「都心・三宮再整備」は30年後までに約150棟のビルを建て替え、新たな都市空間を創造する。阪神・淡路大震災から復興した街は今、未来に向けて動き出した。 震災後、復旧・復興を最優先としてきた神戸は、大阪や京都市などに比べて再開発が遅れた。都市の魅力が薄れ、人口は福岡や川崎市に抜かれて政令市で7位に転落。鉄道6路線が乗り入れ、1日当たり延べ70万人が利用する三宮には、利便性や魅力アップを求める声が相次いでいた。 神戸市は震災復興で深刻な財政難に見舞われたが、財政の見直しによって投資ができる体力にまで回復。街の魅力向上を公約に掲げ、2013年に就任した久元喜造市長は積極投資にかじを切った。 三宮が抱える課題は、交通機関の乗り換えにくさや、幹線道