「街のみなさんに『こうしたい』という気持ちがある。ならば、それを支援しようと思った」 世田谷区・下北沢エリアの街づくりを手掛ける、小田急電鉄の橋本崇氏の言葉だ。新しい建物と古くからの商店や家屋が混在する下北沢。その風情ある街並みを歩いてみると、しっくりなじむ。 小田急線の地下化によって生まれた、3駅にわたる線路跡地は「下北線路街」と名づけられ、現在多くの施設が建てられている。長屋型の商店街「BONUS TRACK」を抜ける散歩道では、行き交う人の間に自然と会話が生まれている。 暮らす人、商売をする人、遊びに来る人それぞれの体験を考え、橋本氏が定めた開発のテーマは「支援型開発」だ。下北沢の多様な人々と、どのように関係を築いていったのだろうか。街づくりに対する思いと、それをいかに実践したかについて、橋本氏にうかがった。 遠出しなくてもこと足りる社会で「徒歩20分圏内の暮らし」を豊かに 新宿から