昨日から、「素人」というレトリックについて考えている。「オレは素人だけど…、なのに専門家は×××」といったレトリックのことだ。自分を低い位置に置いて、そこから上位の者をおとしめるテクニック。こういうのが伝統的なレトリックのなかにあるのかどうか知らないが、おそらく多くの人がこのレトリックをブログ上で見かけていると思う。 日本語には謙譲語というものがあって、それは自分を低い位置に位置づけて、相手をうやまうものであるが、上記のレトリックはその反対になるわけだ。 こうした用法とはべつに、もう一つ「素人」という自意識も気になる。誰かを、特にいわゆる知識人や専門家を批判する際に、多くの人は、自分は「素人」であることを強調する。自分は「素人」であるという自意識を、ネットでよく見かけるようになった。いわば「素人」の氾濫だ。氾濫の理由として、「素人」という立ち位置がけっこう便利だからだというのはすぐに想像が