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首相官邸に「開かずの扉」がある。5階の首相・菅直人の執務室。3月11日の東日本大震災発生後しばらくは早朝から深夜まで怒号が響いていたが、震災から1カ月を迎える最近はトンと静かになった。中の様子はどうなっているのか。 ■官僚の足遠のく「やっと精神的な安定期に入った」「気力がうせているのではないか」-。そんな臆測が乱れ飛ぶ。各国外交官も政府関係者に「首相は本当に大丈夫なのか」と真顔で問い合わせてくるという。 なぜ扉が開かないのか。理由は一つ。よほどの緊急時でない限り、誰もノックしようとしないからだ。官僚であろうが、政務三役であろうが、誰かれかまわず怒鳴り散らす。ある官僚は東京電力福島第1原子力発電所の事故の最新状況の報告に入ったところ、菅から頭ごなしにこう言われた。
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