そもそも「国家」なのか? あの国を動かす原理は何か? 私たちはどう付き合ってゆけばいいのか? オビに書かれた言葉と、毛沢東が掲げられている天安門広場の写真。これらが、本の内容を端的に表している。 本書は、2012年の新書大賞に輝いた『ふしぎなキリスト教』で大いに議論を巻き起こした橋爪さん・大澤さんコンビに大学時代からの友人の宮台さんが加わり、中国に関して対談した本だ。橋爪教授は中国研究のスペシャリストであり、また、奥さんが中国人であるため、日常的にも中国に接している。 そもそも、中国は「国家」なのだろうか?これを理解するヒントになるものがあるとすれば、それは「EU」だ。つまり、中国は、二千年以上前にできた中華連合「CU」なのだ。中国目線で考えれば、考えるべきは「なぜ二千年以上前に中国と言う巨大国家ができたのか」という問いではない。「なぜ、EUは統合するのが二千年以上も遅れてしまったのか」で