「分人」とは、作家の平野啓一郎さんが、『ドーン』や『私とは何か』で提唱する考え方です。 平野啓一郎「分人」シリーズ合本版:『空白を満たしなさい』『ドーン』『私とは何か―「個人」から「分人」へ』 いろんな点で興味深い考え方なのですが、分割可能・不可能の線の引き方の点で興味深く思ったので、図にして考えてみたくなりました。半分メモですが、以下、考えたことと描いてみた図をご紹介します。 1.「分人」と「個人」の、分割可能/分割不可能 「分人」と「個人」は、対照概念です。「分人」は、ひとりの人間を「分けられれるもの」と把握し、「個人」はひとりの人間を「分けられないもの」と把握します。 分人:ひとりの人間は、分けられる 個人:ひとりの人間は、分けられない このように、ひとりの人間という観点からは、「分人」が「分けられる」で「個人」が「分けられない」なのですが、他者との関係という観点からは、この関係がひ