日米首脳会談としては近年まれにみる注目度となった安倍晋三首相とドナルド・トランプ米大統領の会談は、極めて現実的な成果を生み出した。ふたを開ければ、型破りなトランプ大統領も実にオーソドックスな首脳外交をして見せた。 トランプ大統領は基本的にオバマ前政権の安保政策を継承し、アジア太平洋での軍事プレゼンスを強化する方針を示した。東アジアの多くの国々は、中国のカウンターバランスとしての米軍の強いプレゼンスを望んできただけに、きっと胸をなで下ろしているに違いない。 なぜ東南アジア諸国は中国に歩み寄ったのか タイのチュラロンコン大学安全保障・国際問題研究所所長のティティナン・ポンスディラック氏は、オバマ政権時代のリバランス政策が不十分で効果を上げなかったことから、タイをはじめとする東南アジア諸国が中国に歩み寄ったと指摘。そのうえで、「すべての東南アジア諸国は中国に対する防衛策を持ちたいと思い、実際、日