奈良県大和郡山市の医療法人雄山会「山本病院」(破産手続き中)で肝臓手術を受けた男性患者(当時51)が失血死した事件で、前理事長で執刀医の山本文夫容疑者(52)=業務上過失致死容疑で逮捕=が、患者の肝静脈を傷つけて大量出血させたにもかかわらず、「飲みに行ってくる」と助手で主治医の塚本泰彦容疑者(54)=同容疑で逮捕=らに言い残し、手術室から立ち去っていたことが、捜査関係者への取材でわかった。山本容疑者の技術を心配した看護師が手術を押しとどめようとしていたことも判明した。 一方、山本容疑者は奈良県警の調べに対し、「しっかり止血して、手術を終わらせた。その後、患者は心筋梗塞(こうそく)で亡くなった。手術途中でいなくなったわけではない」などと供述しているという。 県警によると、山本容疑者らは2006年6月16日午前10時過ぎ、肝臓の腫瘍(しゅよう)の摘出手術を開始。腫瘍は肝臓の背部に位置して肝