光市母子殺害事件への見解を、光市事件弁護団編著で公開した書籍。 差し戻し審判決に合わせるように、2008年4月22日に出された。同年3月15日に開かれた集会での発言が大半で、以前から様々な形で公開されていた情報がまとまっている。ゆえに、特筆される新情報はほとんどない。もちろん、ネット検索した程度で簡単に批判できるほど浅い弁護主張ではなく、相応に入念な検討が行われているとは感じられる。 事件全体に対しては、愚かで陰惨という印象が強まる。逆にいえば、ネットやマスコミの形成したような、狡猾で残忍という印象は弱まる。たとえ検察側の解釈を全面的に受け入れたとしても。 今になって読み返しても興味深いのが、弁護団に入った弁護士個々の刑事裁判に対する態度。あまり弁護団から表に出てこなかった各弁護士の心情、裁判に参加した経緯が本人の口から語られている。以下、重複する動機や経緯を除いて紹介させてもらう。 湯山