中山成彬国土交通相が成田空港反対派住民のことを「ゴネ得」と決めつけたことは軽率であり、徹底批判されるべきだろう。なぜなら、はるか半世紀も前から、成田=三里塚問題は「ゴネ得」などというレベルにはないからだ。たとえばカルト信者たちの聖地に空港をつくろうとしたらどうなるか、想像してみてほしい。カネでは動かぬ狂信者たちはそもそも交渉に応じないだろうし、交渉すること自体を裏切りとみなし、「対話派」の粛清を始めるだろう。そして粛清を逃れた信者たちはいっそう強硬な姿勢を取り・・・実際、このような過程を経て成田=三里塚は一部の狂信的新左翼の聖地と化したのである。今でも結構な社会的地位にあるいい大人が、かつて参加した成田闘争へのノスタルジアから「成田は出来るだけ使わない」などと公言するのはこのような事情による。かく、成田の場合、「ゴネ得」というようなカネの問題ではもはやない。だからこそ深刻なのだ。 そもそ