師走も大詰め。「今日もお仕事、ご勉学、遅くまでお疲れさまでした」−−。夜のラッシュ時、東京都心部を走る満員の地下鉄に、こんなアナウンスが。世知辛いご時世に、癒やしをもたらす車内放送が広がっているという。事情を探った。【遠藤和行】 東京メトロ・半蔵門線(渋谷−押上)の車掌、宮村裕子さん(28)は、車掌になって半年後の08年春から、定型の案内に一言加えている。平日朝のラッシュ時は「お気を付けて行ってらっしゃいませ」、夜には「この先もお気を付けてお帰りくださいませ」。 大学時代、帰宅中の電車で「お疲れさまでした」というアナウンスを聞き、疲れが吹き飛んだ経験が原点。「乗客の心を癒やせる車掌になりたい」との思いを実現させた。同僚の富岡勉さん(36)も今春から始めており、金曜夜には「よい週末をお過ごしください」と優しい口調で語りかける。 小田急電鉄の車掌、西原翼さん(30)は平日朝、通勤電車が終