1.核種分離・消滅処理について (1)原子力発電に伴う放射性物質の生成 原子力発電は、ウランやプルトニウムを燃料として、核分裂の連鎖反応を持続的に起こさせ、発生する熱エネルギーを電気に変換して利用するものである。 原子炉内で生じている主な核反応は、ウラン235やプルトニウム239が中性子によって核分裂を起こし、別の核種(核分裂生成物)が生成する反応と、ウランの中でも核分裂を起こしにくいウラン238等が中性子を取り込んで、プルトニウムやその他の超ウラン元素に変換する反応である(図1)。例えば、3%濃縮ウラン燃料1トンには、ウラン235が30kg、ウラン238が970kg含まれているが、これを燃焼した後(30000MWD/t)はウラン235が約10kg、ウラン238が約950kg、プルトニウム239が約10kg、核分裂によって生成した核種が約28kg(うちウラン235の核分裂により20kg、ウ