東京電力福島第一原発の放射能汚染水が海に流出している問題で、地下の汚染水が、流出防止用の土中の遮水壁をすでに乗り越えていることが、実測値で裏付けられた。東電が10日に水位の測定値を公表した。 遮水壁は地中に薬剤を注入して固める工法で、地下1・8メートルより深い部分しか作れない。東電が、遮水壁から陸側2メートルの場所に新たに井戸を掘って水位を測ると、地表から地下1・2メートルまで上がっていた。水位は遮水壁の上端を60センチほど上回っており、東電は「越流して海に流出している可能性が高い」とみている。 問題になっているのは1、2号機の海側の敷地。地下水から高濃度の放射性物質が見つかったことから、海への流出を防ぐために7月8日から遮水壁の工事を開始した。しかし、付近の地下水位が急上昇し、壁を越える可能性が指摘されていた。