新しい図書館史研究 城西国際大学国際人文学部:長尾宗典(ながお むねのり) はじめに 本稿では、本誌297号(2008年9月)に三浦太郎が発表した図書館史に関する研究文献レビュー(CA1673参照)の後を受け、2008年から2017年までの10年間に主として日本国内で発表され、日本の図書館を対象とした図書館史研究文献のレビューを行う。書評に関しては重要なものに限り、論文発表後に一書にまとめられた研究の場合は単行本を取り上げる。なお、三浦は2012年に、2002年から2011年までの文献整理を行っているので(1)、重複する文献紹介は極力省略することとする。 図書館史の研究に関しては、この10年を振り返ってみるとき、日本図書館文化史研究会などの活発な活動の結果、論文や単行本の数は大幅に増大した。また、2008年の図書館法改正(E799参照)と司書課程科目の再編、「電子書籍元年」と呼ばれた201
図書館関係法規 公共図書館に関する法規の基礎について音声動画で解説しています。主な内容としては,公共図書館の意義と基本,公共図書館に関する法体系,公共図書館に関する基準,主要法令(教育基本法,社会教育法,図書館法等),協力者会議等の報告,民間団体の基準等について,重要な条文やポイントを中心に解説しています。 ○講 師 薬袋(みない) 秀樹 先生 (筑波大学名誉教授) 公共図書館論専攻。文部科学省これからの図書館の在り方検討協力者会議主査(2004~2012年)。図書館情報大学教授,同生涯学習教育研究センター長(併任),筑波大学教授。 日本生涯教育学会会長,日本図書館情報学会常任理事等を歴任。主な著作に,図書『図書館制度・経営論』(編著書),論文「図書館法の専門的職員に関する規定の考察」「図書館法改正と生涯学習振興政策」等。
少し前から必要があって集中的に検閲とか言論統制に関わる本を読んでいたら、友人に検閲についてわかりやすくまとめた本は無いものかと聞かれ(なにやらtwitterで言論統制の歴史がちょっと話題になったようでもあり)、まとまっているもの、となるとすぐに思いつかないのだが、万全でなくても、読んだことがあるもの、知っているものをまとめておけば後日の役に立つかもしれないとふと思いついた。 検閲というと新聞や図書などの出版物にかけられた統制がまず思いつくだろうが、例えば郵便物の検閲という問題もあり、そう話は単純でない。 調べ方の前提 ネットで検索すると多数見つかって絞れないので、研究者の成果公表やレファレンスブックから抽出することにする。組み合わせるのがベターなのはいうまでもない。 まず、参考文献だが、早稲田大学の20世紀メディア研究所が提供する検閲研究ウェブサイトの文献紹介のページに載っているものはかな
Web2.0の現在 電子情報部電子情報サービス課:川瀬直人(かわせ なおと) はじめに いまさらWeb2.0と訝しがる向きは多いかもしれない。オライリー(Tim O’Reilly)が“What is Web2.0”(1)でWeb2.0の考え方を示したのは2005年であり、日本で梅田の『Web進化論』(2)が話題となったのは2006年と、いずれも10年以上前のことである。Googleトレンドを見てもWeb2.0の登場のピークは2006年8月であり、最近言及する人は少ないのが見て取れる。First Monday誌では2016年にWeb2.0の10年と題する特集を組み、Web2.0全般に関する現時点での論考を集めている(3)。本稿では図書館や学術情報流通といった観点から、昨今ではあまり言及されなくなったWeb2.0が、現在ではどのように様変わりをしたのかを概観する。 ソーシャルメディアと図書館
図書館情報学研究者、実務者、教育者に必携の参考図書。専門語・人名・機関名・法規名など1,800項目収録 図書館情報学について、その基礎的な概念、図書館情報学教育、図書館運営、目録、分類・件名、索引・情報検索、資料・メディアのそれぞれに関する専門用語と図書館情報学にかかわる人名や団体名など、約1,800項目を収録。 第5版では、使いやすい辞典というこれまでの特徴を継承し、新しい語の追加および第4版収録の語をすべて見直し、必要に応じて見出し語の削除・変更を行いました。また解説文についても最新の情報に基づき更新作業をしています。すべての図書館関係者の座右の書であることはもちろん、図書館情報学研究者、実務者、教育者にとって必携の参考図書です。
日本最大の図書館蔵書検索サイト「カーリル」を運営する株式会社カーリル(所在地・岐阜県中津川市、代表取締役・吉本龍司)は、図書館業務向けの超高速横断検索API「カーリル Unitrad API(カーリル・ユニトラッド・エーピーアイ)」の運用を開始し、京都府立図書館で初導入されました。従来の業務用横断検索システムと比べて、圧倒的に高速で、使いやすいインターフェースにより、図書館業務の大幅な効率化を実現します。 積み残された課題 カーリルのサービス開始から7年目を迎え、私たちが提供するウェブサービスだけではなく、無償開放しているAPI経由で様々なアプリケーションが図書館のデータと連携しています。これによりユーザーは、様々な方法で図書館の蔵書検索ができるようになりました。ユーザーの利便性は年々向上する一方で、図書館員には遅くて使いにくい従来型の横断検索システムの利用が強いられています。都道府県立図
英語の勉強をしようと思っていたところ、副題の“Why Libraries Matter More Than Ever in the Age of Google”が気になり、さらにAmazonの図書館情報学のベストセラーのサイトを見ていたらなんだか評判が良かったのをたまたま見て、昨年11月くらいからチマチマkindleにダウンロードして読んでいた本。密かに何人かの同僚にも勧めていた。 今年になって邦訳が出たとの話を聞き、「仕事はやいな!」と感服しつつ、邦訳も買って、このほどようやく読み終わった。 著者はハーバード大学の法学の先生であるが、ロースクールの図書館長をやったり、さらには米国デジタル公共図書館(DPLA)設立委員長として有名な方*1。たぶん、デジタルアーカイブの将来とかをめぐる著者の考え方へのコメントは、自分には出来ないし、ほかの方が絶対に書かれると思うので置いておいて、もっぱら図書
作家の村上春樹氏が母校の兵庫県立神戸高等学校図書館で借りた本の図書カード(本についている貸出用のカード)が、2015年10月5日の神戸新聞ネットニュース及び夕刊で公表されました。これは、神戸高校図書館の廃棄図書に残っていた図書カードが、カードに氏名が載っている本人の同意なく神戸新聞に提供されたものです。公表されたカードには、村上氏のほかにもその本を借りた当時の生徒の学年、組、氏名、貸出日、返却日が記入されており、それらがはっきりと読み取れる状態の画像が掲載されました。 私たち学校図書館問題研究会は、1985年の結成当時から利用者のプライバシーを守ることの大切さについて議論を重ねてきました。1988年には「のぞましい貸出方式が備えるべき五つの条件」を確認し、その5つめには「返却後、個人の記録が残らない」とあります。私たちは、今回のできごとが利用者のプライバシー保護の点から問題があると考えます
ときどき聞かれる「理系なのになんで大学図書館員になったんですか?」という自分でもよく分からない質問についてのメモ。自分語りに近いので、数年後に読みかえすとうんざりしそう。 中学生のころは高校に進学する気がなく、高校生のころは大学に進学する気がなかった。高1のとき進路希望の欄を(いやいや)埋めていて「図書館情報大学」という理系なのか文系なのか何をするのかよく分からない大学が気になったのは覚えている。その後忘れていた。 学部生の後半はITベンチャーで働いていたので、ほとんど大学にいなかった(授業中に電話がかかってきたりしてた)。学内の図書館・図書室をみっつよっつとはしごして数学書を借り、そのままオフィスや喫茶店に向かうというような日々だった。で、貸出期間・冊数を最大化するためにはどうしたらいいか、どの順番で巡回するのが効率的かなどと考えていて、OPACの使いづらさに不満を持っていたのを覚えてい
汐﨑順子(慶應義塾大学非常勤) 「日本における文庫活動の現状:質問紙調査の結果から」 (発表スライド) 受賞理由:調査の意義、結果、考察が明確に提示されており、発表が分かりやすかった。なかなか実態のつかめない文庫に関する調査という点で貴重な研究であった。
On Monday, the American Library Association put out its annual “State of America’s Libraries” report, which details trends and challenges at U.S. libraries — chief among them, demands that certain books get taken off the shelves. According to the report, there were 311 cases of books getting challenged at schools and public libraries around the country — though since most challenges go unreported,
図書館情報学研究室について 2015年3月26日 影浦峡 2017年1月16日補足 影浦峡 図書館情報学研究室の研究テーマは、通常の視点で分類するならば、大きく図書館系と情報系に分かれており、主に図書館系を担う教員と主に情報系を担う教員が1人ずついます。2014年度まで図書館系を中心に研究室を支えてきた根本彰先生が退任します。この機会に、研究室の基本的な方針を改めて確認することにします。 なお、以下に述べることは、根本先生が研究室運営の基本的考え方について述べた文章として公開している「生涯学習社会の方法論的装置としての『図書館』」を置き換えるものではなく、それを補足するものです。また、図書館系と情報系に共通するものです。 1. 対象 図書に代表される、言語で表現され記録されたものを中心に、知識(個別の対象をめぐる思考の結果だけでなく思考の技術とプロセスもこの言葉に含めます)のまとまりとその
国立国会図書館では、平成26年度「図書館及び図書館情報学に関する調査研究」事業として、「図書館利用者の情報行動の傾向及び図書館に関する意識調査」を実施した。 われわれの情報環境は、近年劇的な変化を遂げている。この情報環境の変化の中で、これからの図書館サービスの在り方を検討するにあたっては、現在の図書館利用者だけでなく、図書館を利用していない潜在的な利用者も対象として、図書館が果たすべき役割についてのニーズや図書館利用も含む広い意味での情報行動の傾向を把握する必要がある。 本調査の目的は、図書館を利用していない人々も含めた情報行動の傾向及び図書館への意識調査を実施し、主に、図書館政策立案者、各図書館及び図書館情報学研究者等へ今後の図書館の在り方の検討に資する基礎的な情報を提供することである。 調査の役割分担については、企画および全体調整を国立国会図書館関西館図書館協力課が担当した。日本図書館
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