今春のエベレストで発生した史上最悪の大遭難。犠牲となった16人全てがシェルパ。そして、シェルパたちによる登山ボイコット。遭難者を出した登山隊だけではなく主要な登山隊全てのシェルパがボイコットし、山を下った。シェルパのサポートがなければ登山は続けられない。背景には何があったのか。直接、シェルパたちと話そうと僕はカトマンズに飛んだ。 シェルパや犠牲者の遺族、また政府高官からネパール山岳協会会長まで幅広く話を聞くことができた。「かつては各国からよりすぐりの登山家が集まった。彼らもシェルパと一緒になって荷揚げやルート工作を行ったものだ。しかし最近ではツアー登山隊が増えたのかピッケルの使い方もよく分かっていないような素人が増えた。彼らは安全な山で高所順応をし、その間にわれわれがエベレストで何往復もしながら荷物を上げていく。シェルパの負担が増えたのだ」とベテランシェルパ。 昨年のエベレストでは外国人登