新日本製鉄が、タタ製鉄との合弁事業に乗り出す。急拡大するインドの鋼板需要だけが狙いではない。その裏には、インドの資源戦略の転換がある。 新日本製鉄がタタ製鉄と合弁で設立するのは、自動車用冷延鋼板の製造販売会社。約400億円を投じ、タタ製鉄の主力生産拠点ジャムシェドプール製鉄所内に製造ラインを新設し、2013年度の稼働を目指す。 迫る鉄鉱石の輸出制限本格化 合弁事業の表向きの目的は、現地で急増する自動車向け鋼板を供給することだ。ただ、それだけではない。新日鉄にとってタタとの合弁は、インド産の鉄鉱石を今後も安定的に確保するための布石でもある。 インドでは現在、鉄鉱石の輸出規制を強化しようという動きが強まっている。「特別関税をかけ、インド産の鉄鉱石が海外に流出することを防ぐべき」といった発言が昨年5月以降、政府関係者から聞こえるようになり、7月末には実際に、カルナータカ州で、輸出禁止措置がスター
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