『超訳ニーチェの言葉』フリードリヒ・ニーチェ著、白取春彦編訳(ディスカヴァー・トゥエンティワン・1785円) ■ポジティブな人生訓 「神は死んだ」との言葉があまりに有名な独の哲学者ニーチェ。散文家としても名高い彼の著作から「前向きな」人生訓を“超訳”した本書が、先月15日の発売以来、驚異のペースで売れ行きを伸ばしている。初版1万部のスタートから1カ月足らずで7刷10万3千部を発行。版元には注文や問い合わせが相次いでいるという。 「当初は題名を『明るいニーチェ』にしようと思ったほどです」。そう語るのは、版元ディスカヴァー・トゥエンティワン取締役出版部長の藤田浩芳さん。読めば納得、「一日の終わりに反省しない」「喜ぼう。この人生、もっと喜ぼう。喜び、嬉しがって生きよう」といった、まっとうで読みやすい自己啓発本らしい警句や断章232編が収録されている。 「ニーチェというとニヒリズム(虚無主義)とか