なぜこの本を読もうと思ったのか、はっきりした理由はよく分からない。 たまたま新聞広告にあった同書にふと目が止まった程度の理由だったと思う。 なんともすっきりしない読後感があり、あえて読書感想文を書こうと思った次第です。 同書の大半は、以下の2点について論じられている。 2002年から2007年までの「戦後最長の景気回復」で、日本経済はうわべだけが豊かになったが、その豊かさが幸福に結びついたわけでなかった。 2008年秋のリーマン・ショックで失われた豊かさは、幸福に結びついていなかったので、正味のところで失ったのはほんのわずかであった。 著者の指摘をまとめてみると、2002年から2007年の期間において、実質GDPは505兆円から561兆円へと11.1%成長したが、実質家計消費は、291兆円から310兆円へと6.5%しか拡大しておらず、この期間の経済成長を支えたのは純輸出と設備投資であった。