失言・放言癖のある人だから、では済まされない重大発言だ。 麻生太郎副総理兼財務相が講演で、憲法改正をめぐり戦前ドイツのナチス政権時代に言及する中で「ドイツのワイマール憲法はいつの間にか変わっていた。誰も気がつかない間に変わった。あの手口を学んだらどうか」と述べた。 当時、世界で最も民主的で先進的といわれたワイマール憲法を現在の日本国憲法になぞらえて、改憲の必要性を説く中で出た言葉である。 麻生発言の向こう側に、ワイマール憲法破壊後に戦争に突き進んだナチス政権と、憲法を改正して国防軍創設などを目指す自民党、安倍政権の姿勢が重なって見えると言ったら言い過ぎだろうか。 1933年の政権奪取後、ナチス政権は「一家に1台フォルクスワーゲン」のスローガンの下でアウトバーン建設など公共工事を推し進めて景気を回復。一方で、反ユダヤ主義などでナショナリズムを刺激し、政権基盤を固めた。 その「手口」に学び、ア