友人の著書です。 出来るだけ「さくら」記事にならないように書評を書きます(笑)。 「語られないもの」としての朝鮮学校――在日民族教育とアイデンティティ・ポリティクス 作者: 宋基燦出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2012/06/28メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 156回この商品を含むブログを見る この本を読んでいて何よりも印象深いのは、朝鮮学校の生徒や先生、父兄に限らず、在日コリアンの人たちが抱えている苦悩や困難に対する、著者のまなざしの深さと繊細さである。 著者は、在日の人たちにとっては他者である韓国本国の人であり、また研究者という他者的なポジションに立ってもいるわけだが、同時に植民地化による過酷な「記憶」の共有者でもある。 私は語られないものについて語りたかった。だからといって私がしたいのは、彼らを単純に代弁することではない。それは彼らを他者化してしまう暴力に過ぎな