人質全員の殺害という最悪の結果に終わったISISの事件について、思う所を書いておく。 まず異様に感じられたのは、その報の後のテレビ報道である。同胞の悲報を受けたのに、服喪の感情も痛切な悔恨もないまま、いつものようなバカ番組を垂れ流している。 かつて誘拐殺人事件や人質立てこもり事件などが起こったとき、人々は己れの身内のように心配しなかっただろうか? そして、犯人への急襲が失敗して人質が犠牲になったりしたら、警察への非難が巻き起こらなかっただろうか? 凶悪犯に対する怒りもさることながら、救出に失敗した場合、当局の責任が厳しく問われるのは当然であろう。犯人が凶悪だったから仕方なかったということにはならない。そのような者から国民を守るために国家権力が存在するのだからである。その意味では、今般の結果は最悪であり、政権の失態は明白である。 それゆえ、政府はその無策無能ぶりを謝罪し、その事態を招いた経緯