消費増税を含む社会保障・税一体改革を審議する通常国会が24日召集される。素案の事前協議をめぐって与野党間のさや当てが始まっているが、大事な問題が置き去りにされていないだろうか。 民主党が政権交代を果たした09年衆院選マニフェスト(政権公約)に掲げた最低保障年金など年金制度の将来像を示していないことだ。 五十嵐文彦財務副大臣は昨年11月21日の講演で、個人的見解と前置きしたうえで、最低保障年金などの制度改革が実現した場合を含めれば、将来必要な消費税率は17%近くになると見通した。13年には年金改革の法案を国会に提出する方針が、政府・与党の社会保障・税一体改革素案にも明記された。 素案で政府・与党が提示したのは、現行5%の消費税率を「2014年4月に8%に引き上げ、2015年10月に10%」とする2015年までの姿。仮にこれを決定した後に、追いうちをかける形で年金改革に伴う大幅な増税が示される