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ブックマーク / mmpolo.hatenadiary.com (3)

  • 「被差別の食卓」がとてもいい - mmpoloの日記

    上原善広「被差別の卓」(新潮新書)がとても良かった。冒頭、幼い頃「あぶらかす」が好きだったと書き始めている。母の料理だった。そんなあぶらかすが一般的な材でないと知ったのが中学生の頃だった。それは被差別部落の材だった。著者は1973年、大阪市南部にある更池(さらいけ)という被差別部落に生まれたと書いている。そこでは現在でも自分たちの地区のことを「むら」と呼んでいる。中上健次の「路地」と同じだ。 上原は「しかし」と書く、「成長するにしたがって、わたしはそのような環境に育ったことを、徐々に誇りに思うようになったのであった」。書は全編がこの姿勢で書かれている。みごとなものだ。そして上原は、世界各地の被差別の地区を訪ね、その地区の料理を味わうという「取材」を開始する。 書に紹介されているのは、アメリカ南部の黒人ハーレム、ブラジルの黒人奴隷の末裔がひっそり住む地区、ブルガリアとイラクのロマ(

    「被差別の食卓」がとてもいい - mmpoloの日記
    maangie
    maangie 2013/05/22
    上原善広。中上健次。サダム・フセイン。ホー・シャオシェン。
  • 田中克彦「ノモンハン戦争」(岩波新書) - mmpoloの日記

    新聞に載っている岩波書店の今月の新刊の広告に、岩波新書で「ノモンハン戦争」というのがあった。あれってノモンハン事件じゃなかったっけ、くらいに思ったがとりたてて読みたいとは思わなかった。でも一応著者を確認したら田中克彦だった。モンゴル語が専門の言語学者で、田中のどのも興味深く読んできた。ほとんどすべての著書を読んできただろう。そういう著者は、ほかにスパイ小説のジョン・ル・カレ、ポーランドのSF作家のスタニスワフ・レム、作家の金井美恵子、画家でエッセイストの野見山暁治など数える程度だ。 仮にノモンハンだって、田中克彦が書いているのなら読むに決まっている。そしたら、朝日新聞の6月25日夕刊に「ノモンハン戦争とは何だったのか、奪われた民族統合の夢」と題された田中克彦の署名原稿が掲載された。 ここに1枚の写真がある。左に見えるのは満洲国の、右はモンゴル人民共和国の国旗である。撮影された日付は、19

    田中克彦「ノモンハン戦争」(岩波新書) - mmpoloの日記
  • 省略の技法 - mmpoloの日記

    金井美恵子「小説論」(朝日文庫)には「映画小説・批評ーー表象の記憶をめぐって」と題された城殿智行によるインタビューが載っている。そこから映画小説の省略の技法が語られているところを紹介する。 城殿智行  書き方のお話も少しうかがいたいのですが、メロドラマにかぎらず、映画にはルビッチ以来脈々と続く省略の技法があります。たとえば「結婚哲学」でしたか、男女をテーブルの前へすわらせて、いよいよこれから濃厚なラブシーンになるっていう瞬間に、テーブルへのせてあったティー・カップだけを写すようにして、何しろ濃厚だから、お茶をこぼさないように男がすっとカップを遠ざける、それだけですべてを暗示するような技法は、そのころからすっかり完成されていて、いい映画作家たちはそれを覚えてきたはずだと思うんです。 金井美恵子  ええ。もちろんそれには「コード」で決められた細かい禁止項目があったからですけれど。MGMにゴ

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