澄江生物化石群からの驚くべき発見 澄江生物化石群(チェンジャン生物化石群)は中国雲南省の澄江とその周辺から発掘される化石群です。ここからは主にカンブリア紀初期の多様な生物が、極めて状態の良い化石として保存されているのが特徴です。 澄江生物化石群は、アノマロカリスやピカイアで有名なバージェス頁岩の動物化石と同じく、カンブリア紀について次々と新発見をもたらしている重要な化石群で、なかでも話題になったのは、人類の祖先とも言える脊椎動物の発見です。 それまで最初の脊椎動物はオルドビス紀の地層から発見された無顎類(初期の魚型動物)とされ、カンブリア紀にはピカイアのような頭索動物(ナメクジウオの仲間)より進化した動物はいないと考えられていました。 ところが20世紀末に澄江からほど近い昆明より、驚くべき報告がなされました。カンブリア紀の地層から最初の脊椎動物と思われる無顎類の化石が発見されたというのです