「母の身終い」のステファヌ・ブリゼ監督と主演のバンサン・ランドンが再びタッグを組んだ人間ドラマ。 本作でランドンは2015年・第68回カンヌ国際映画祭の男優賞、ブリゼはエキュメニカル審査員賞をそれぞれ受賞するなど高い評価を得た現代のフランスで問題になっている深刻な失業問題を表した映画になります。 しかしこれが遠い正解の話だと思うのは間違いで、フランス人の共感を誘ったのも頷けるほど、ティエリー歳の抱える憂鬱は日本社会の片隅にも普通に転がっている。 功労者をあっさり切り捨てる会社、再就職の難しさ、年配者に対する風当たり、全く価値を見出せない仕事など、まるで中年失業者の憂鬱あるあるのような映画だ。 簡単にあらすじを紹介すると、長年勤めていた会社から解雇されたティエリーは、職安に通い、ようやくスーパーの警備員の職に就く。 買い物客だけでなく、スーパーで働く同僚たちの不正も監視し、会社へ告発するのが