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ブックマーク / beatniks.cocolog-nifty.com (18)

  • 法制審特別部会での大詰めの議論の中で被告人の虚偽供述の禁止について考える: 法と常識の狭間で考えよう

    法制審議会の新時代の刑事司法制度特別部会(以下「特別部会」という)の審議が大詰めを迎えている。2014年4月30日に第26回会議が開かれ、そこで最終のとりまとめ案(事務当局試案)が示されて、議論が開始される予定である。この日は取調べの録音・録画制度について議論され、それ以外の論点は6月から7月にかけて3~4回程度の会議で議論される予定である。 2013年1月29日に、「時代に即した新たな刑事司法制度の基構想」(以下「基構想」という)が特別部会で採択され、その後、作業分科会の議論を経て、特別部会もいよいよ終盤を迎えている。 最終のとりまとめ案を見ると、これまで議論されていた会話傍受(室内盗聴)は外れており、法務省が導入したがっていた実刑を含めて簡易迅速に処理する制度も外されているが、大枠はほとんど維持されている。 通信傍受については、大幅な対象犯罪の拡大や手続の緩和(法務省の言うところの

    法制審特別部会での大詰めの議論の中で被告人の虚偽供述の禁止について考える: 法と常識の狭間で考えよう
  • 被疑者の居場所をGPS携帯の位置情報から割り出す新たな捜査手法について考える: 法と常識の狭間で考えよう

    従来、所在不明の被疑者を逮捕する目的で、被疑者の使用している携帯電話について、携帯電話会社のシステム端末を操作して、その所在位置を探索するために、捜査機関から検証許可状の発付が請求され、裁判官が審査の上、検証許可状を発付し、それを携帯電話会社に呈示し、基地局情報による位置情報が、携帯電話会社から捜査機関に提供されていた。その精度は、都心部では、およそ半径500メートル程度の範囲だと言われている(池田弥生「携帯電話の位置探索のための令状請求」判例タイムズ1097号27頁以下)。 通信については、通信傍受法(盗聴法)による傍受令状が必要となるが、位置情報は通信ではないということで、検証許可状で可能と解されていたのである。 今回、2011年8月1日から、総務省が、「電気通信事業における個人情報保護に関するガイドライン及び解説の改正案に対する意見募集」をしている(八月末日で募集は終了)。 これは、

    被疑者の居場所をGPS携帯の位置情報から割り出す新たな捜査手法について考える: 法と常識の狭間で考えよう
  • 「裁判員裁判」元年を終えて: 法と常識の狭間で考えよう

    2009年5月21日に「裁判員の参加する刑事裁判に関する法律」が施行されて、裁判員裁判が始まった。2009年は「裁判員裁判」元年だったと言えよう。そこで、2009年の裁判員裁判の実施から見えてきた問題点について振り返ってみたい。 2008年中に、既に100件以上の裁判員裁判が実施され、判決が言い渡されている。 2009年に実施された裁判員裁判は、公訴事実を認めた上で量刑だけが争われる事件がほとんどであった。 共同通信のまとめによると、裁判員裁判で実刑を言い渡された被告人110人の判決と検察官の求刑を比較すると、平均は79%で、従来の相場とされる「求刑の8掛け」になっているが、求刑の90%以上が20人、求刑の半分以下が6人であり、判決にはばらつきが大きいことが指摘されている(2009年12月20日付共同通信ニュース)。 例えば、介護疲れで配偶者を殺した事案や、親族内の事件など、裁判員になった

    「裁判員裁判」元年を終えて: 法と常識の狭間で考えよう
  • 刑事事件における最高裁判所の役割について考える: 法と常識の狭間で考えよう

    2009年10月19日、最高裁判所第二小法廷(中川了滋裁判長)は、大阪市内のホテルで警護役の組員二人に拳銃を所持させていたとして、銃刀法違反(共同所持)の罪に問われた山口組の元若頭補佐の被告人について、被告人を無罪としていた第一審、第二審の判決を破棄し、審理を大阪地裁に差し戻す判決を言い渡した(共同通信の記事)。 最高裁判所の先例としては、山口組の六代目組長が銃刀法違反(共同所持)の罪に問われた事件で、東京地裁、東京高裁で有罪判決が出され、2003年5月1日、最高裁判所が、弁護人の上告を棄却して確定した事件(スワット事件)が有名である。 この事件では、暴力団組長である被告人が、自己のボディガードらのけん銃等の所持について直接指示を下さなくても、これを確定的に認識しながら認 容し、ボディガードらと行動を共にしていたことなどの事情の下においては、被告人は拳銃所持の共謀共同正犯の罪責を負うと判断

    刑事事件における最高裁判所の役割について考える: 法と常識の狭間で考えよう
  • 殺人罪等についての公訴時効の廃止に反対する: 法と常識の狭間で考えよう

    公訴時効については、2004年4月19日から7月30日までに法制審議会刑事法(凶悪・重大犯罪)部会が開かれて審議され、死刑に当たる罪についての公訴時効を、それまでの15年から25年に延長するなどの改正案が諮問され、同年秋の臨時国会で刑事訴訟法改正案(刑訴法250条の改正)が可決・成立し、2005年1月1日以降に発生する犯罪について新たな公訴時効が適用されている。 ところが、それからまだ数年しか経過していないにもかかわらず、昨年の秋以降、被害者遺族の中から公訴時効の撤廃を求める運動が起こり、2009年2月28日には、国内外の16事件の遺族20人が参加して、「宙(そら)の会」を結成し、時効制度の撤廃・停止の実現などを求める運動を開始し、マスコミでも大きく取り上げられた。 法務省は、2009年1月から、「凶悪・重大犯罪の公訴時効の在り方に関する省内勉強会」を開催し、同年3月末に中間とりまとめを行

    殺人罪等についての公訴時効の廃止に反対する: 法と常識の狭間で考えよう
  • 新たな外国人在留管理制度と外国人住民台帳制度の新設を考える: 法と常識の狭間で考えよう

    政府は、戦後60年間続けてきた外国人登録制度を廃止し、「新たな在留管理制度」と「外国人住民台帳制度」を創設しようとして、今通常国会に「出入国管理及び難民認定法及び日国との平和条約に基づき日の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法の一部を改正する等の法律案」を上程している。 「新たな在留管理制度」は、これまで地方自治体が行っていた外国人登録制度を廃止して、在留管理を国(法務省)に一元化して管理しようとするものであるが、その対象は在留資格をもつ中長期在留者だけに限定されており、短期滞在者や特別永住者は除外されることになっている。 他方、住民サービスのために地方自治体には「外国人住民台帳」が設けられることになるが、中長期在留者や特別永住者のほか、一時庇護許可者や仮滞在許可者が対象となることになっている。 問題は、いずれの制度も、いわゆる非正規滞在者、すなわち、オーバーステイ(不法滞在者

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  • 連発される死刑判決と揺れ動いている死刑基準について考える: 法と常識の狭間で考えよう

    一昨年の2007年に全国の裁判所で言い渡された死刑判決は46件という多数でピークを迎えたが、昨年の2008年に言い渡された死刑判決は27件で、一昨年より19件少なく、死刑判決の増加傾向が止まったと考えられていた。 ところが、今年に入って、全国の裁判所で言い渡される死刑判決がハイペースで続いている。2009年3月の第3週には3日続けて死刑判決が言い渡された(香川県坂出市の3人殺害事件、兵庫県姫路市の2人殺害事件、愛知県名古屋市の1人を殺害した「闇サイト」事件)。 その後も、架空請求詐欺グループ内の仲間割れから4人を監禁・暴行死させた事件について、第1審の東京地裁の無期懲役判決を破棄して東京高裁(長岡哲次裁判長)が死刑判決を言い渡したり(2009年3月19日)、埼玉・庄の夫婦殺害事件について第1審のさいたま地裁の無期懲役判決を破棄して東京高裁(若原正樹裁判長)が死刑判決を言い渡す(2009年

    連発される死刑判決と揺れ動いている死刑基準について考える: 法と常識の狭間で考えよう
  • 遂に始まった被害者参加の刑事裁判: 法と常識の狭間で考えよう

    被害者やその遺族等が、刑事裁判に直接参加して、証人尋問や被告人質問を行う被害者参加制度が、2008年12月1日から施行されており、被害者参加による刑事裁判の公判が始まっている。 2009年1月23日には、東京地方裁判所で、被害者参加による2件の刑事裁判の公判が開かれた。1件は自動車運転過失致死被告事件、もう1件は恐喝未遂、傷害被告事件だった(私は後者の事件を傍聴した)。 前者の事件を傍聴した方から聞いた話によると、前者の事件では、被害者参加人として法廷に出席したのが2人(被害者のと兄)、被害者参加弁護士が3人で、さらに傍聴席で関係者として6人が傍聴したという。 そして、心情に関する意見陳述(旧来から認められていた意見陳述制度)は被害者の母親が行い、被告人質問は被害者の兄が行い、弁論としての意見陳述(新たに認められた意見陳述制度)は被害者のが行った。 被告人質問の際に、被害者参加人である

    遂に始まった被害者参加の刑事裁判: 法と常識の狭間で考えよう
  • 知的障害者の刑事事件について考える: 法と常識の狭間で考えよう

    2008年9月21日のお昼過ぎころ、千葉県東金市の道路脇で、全裸で倒れている5歳の保育園児が発見されて病院に搬送されたが、死亡が確認された。 この事件について、しばらく犯人が見つからない状況が続いていたが、千葉県警東金警察署の捜査部は、同年12月6日朝から、現場近くに住む若い男性に任意同行を求め、死体遺棄容疑で事情聴取を始め、その男性の自宅の捜索も行い、その男性を死体遺棄容疑の被疑者として逮捕した。 その男性は、被害者の衣服などが入れられて捨てられていたレジ袋がみつかったマンションに住んでいる男性だった。 逮捕後の警察の記者会見においては、被疑者が精神発達遅滞と診断されていることから、記者発表資料では匿名としたが、事案の重大性を考慮するとして、口頭で実名を明らかにしたという。 そのため、マスコミは、被疑者について、実名報道主義に基づき、住所、氏名、年齢及び顔写真を大きく報道した。テレビ

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  • 被害者に少年審判傍聴を認める少年法改正案の動向: 法と常識の狭間で考えよう

    被害者やその遺族に少年審判の傍聴を認めることなどを内容とする少年法改正案が、2008年5月30日、衆議院法務委員会で、政府案を修正した上で可決された。 この少年法改正案は、2008年3月7日に国会に上程されたが、なかなか審議入りせず、当初は、審議期間があまり残されていないことから、今通常国会での成立は困難であると見られていた。 ところが、与党と民主党との修正協議が行われ、与党が民主党の修正案を「丸呑み」する形で受け入れたことから、急転直下、今通常国会で成立する見込みとなったという。 5月30日の衆議院法務委員会の審議では、午前中に参考人質疑が行われ、午後の審議には、民主党と与党の共同提案で修正案が提出され、質疑・討論ののち採決が行われ、社民党の保坂展人議員のみが反対し、賛成多数で修正案が可決された。6月3日の衆議院会議で可決された後、参議院に送付され、6月5日頃から参議院法務委員会で審議

    被害者に少年審判傍聴を認める少年法改正案の動向: 法と常識の狭間で考えよう
  • 死刑制度をめぐる日本と世界の動き: 法と常識の狭間で考えよう

    昨年である2007年は、全国の裁判所で死刑を言い渡された被告人が47人となり、1980年以降で最多だった年であった。 昨年の12月にも死刑が執行されている。すなわち、2007年12月7日、東京拘置所において2名、大阪拘置所において1名の計3名の死刑確定者に対して死刑が執行された。2007年8月23日の3名の死刑執行に引き続いての死刑執行であり、改めて法務省の死刑執行に対する強い意欲を窺わせるものであった。 法務省は、昨年12月の執行に際しては、死刑執行の事実だけでなく、死刑囚の氏名や犯罪事実の概要などを初めて公表した。これは、この間の鳩山法務大臣による死刑制度に関する様々な問題発言を踏まえて、法務省内部で勉強会を実施していると伝えられているが、その「成果」であるという。 しかし、これに対しては、むしろ死刑執行を正当化するためのものであるとの批判や、裁判員制度の実施を睨んで、死刑制度に関する

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  • 少年審判に犯罪被害者等の傍聴を認めるべきか: 法と常識の狭間で考えよう

    自民党の政務調査会・法務部会の少年法に関する小委員会は、被害者団体や日弁連からヒアリングを行い、「少年法見直しに関する取りまとめ」を行い、年11月 9日、法務部会において、一部変更の上で了承した。鳩山法務大臣は、11月29日に、法制審議会に少年法改正についての諮問を行う方針を決めたと報道されている(以上、毎日新聞の記事)。 既に、今年の通常国会においては、刑事訴訟法が改正されて、刑事裁判に犯罪被害者やその遺族(以下「被害者等」という)が直接参加する被害者参加制度が創設されている(但し、施行は公布から1年半後とされているのでまだ未施行)。 少年法は、議員立法により、2000年に厳罰化する方向で改正された際に、施行から5年後に見直しをすることが附則で定められており、今回の改正は、その見直しとして行われようとしている。 自民党の政務調査会法務部会の取りまとめは、被害者等による少年審判の傍聴を認

    少年審判に犯罪被害者等の傍聴を認めるべきか: 法と常識の狭間で考えよう
  • 思想・信条を理由とする裁判員の辞退を認めなくてよいか?: 法と常識の狭間で考えよう

  • 衆議院法務委員会が強行採決続きの異常事態となっている: 法と常識の狭間で考えよう

    4月18日に、衆議院法務委員会で、少年法改正案が、与党による強行採決で可決され、翌4月20日に衆議院会議で可決されて参議院に送られた。 また、4月27日、衆議院法務委員会で、更生保護法案が、与党による強行採決で可決された。衆議院法務委員会では、続けて2つの法案について、与党による強行採決がなされたことになる。 いずれの法案についても、あと何回か審議を尽くせば、与党が強行採決することもなく、採決時期について与野党合意の下で行われた可能性のある法案であった。ところが、与党は、野党の意向を無視して、職権で採決を行っている(更生保護法案については、参考人質疑も職権で決めたようである)。 少年法改正案については、14歳未満の触法少年についても、警察が捜査権限を持つという形で権限の拡大が図られることになった点が最大の問題である(政府案にあったぐ犯少年に対する捜査権限は与党の修正案では否定された)。

    衆議院法務委員会が強行採決続きの異常事態となっている: 法と常識の狭間で考えよう
  • 裁判員制度の根幹を揺るがす制度設計の見直しについて: 法と常識の狭間で考えよう

    刑事司法改革の中でも、もっとも目玉とされる裁判員制度は、2009年5月から開始される予定となっている。 この裁判員制度を市民に知らせるための最高裁主導のイベントである「裁判員制度全国フォーラム」において不祥事があったことは既によく知られているので(衆議院議員である保坂展人のブログ「どこどこ日記」の「裁判員広報費問題とは何か」に詳しい)、ここでは触れない。 ここでは、思想・信条を理由とする裁判員の辞退事由の問題と、複数の事件を区分して審理する「区分審理制度」の導入の問題点について述べることにしたい。 まず、思想・信条を理由とする裁判員の辞退事由については、裁判員法の立法当時から、思想・信条を理由とする辞退を認めることを前提に、それを政令で規定することが政府・与党の考えであった。 このことは、政府(小泉前首相)の答弁書において、次のように述べられていることも明らかである。 「法においては、裁

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  • 犯罪収益移転防止法案の審議は拙速ではないのか?: 法と常識の狭間で考えよう

    「犯罪による収益の移転防止に関する法律案」(以下「犯罪収益移転防止法案)が、3月23日午後の衆議院会議で、自民、民主、公明などの賛成多数で可決された。参議院に送られて、早ければ3月末までに参議院でも可決され、今通常国会で成立する見通しとなったと報道されている(朝日新聞の記事)。 この法案は、組織犯罪処罰法及び人確認法によって、これまで金融機関に対して課せられていた(1)人確認義務、(2)記録保存義務及び(3)マネー・ロンダリングの疑いのある取引罰の届出義務を、金融機関以外のリース業、宅建業者、貴金属商、私書箱業、さらには士業である弁護士、司法書士、行政書士、公認会計士、税理士まで拡張しようとするものである。 但し、法案提出前に、日弁護士連合会からの強い反対があり、依頼者に対する守秘義務を負っている士業である弁護士、司法書士、行政書士、公認会計士、税理士については、(3)マネー・ロン

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  • 鹿児島選挙違反事件の無罪確定が示す警察取調べ可視化の必要性: 法と常識の狭間で考えよう

    鹿児島地方裁判所(以下「鹿児島地裁」)は、年2月23日、2003年4月の鹿児島県議選をめぐる公職選挙法違反(買収・被買収)の罪に問われた鹿児島県志布志市の元県議・中山信一被告ら12人の被告全員に無罪判決を言い渡した。 鹿児島地方検察庁は、控訴期限である3月9日までに控訴せず、3月10日午前0時をもって、無罪判決が確定した。 鹿児島地裁の谷敏行裁判長は、中山元県議らのアリバイの成立を認めて「買収会合は存在しない」と認定した上で、捜査段階で容疑を認めていた5被告の自白調書について、「警察の押し付けや誘導がないと、このような供述にはならない。追及的・強圧的な取り調べがあったことが強くうかがえる」と判断して自白調書の信用性を否定した。つまり、事件は架空の事件をでっち上げたものであり、そのストーリーに沿う虚偽の自白調書が作成された大冤罪事件であったことが明らかとされたのである。 弁護人によると、取

    鹿児島選挙違反事件の無罪確定が示す警察取調べ可視化の必要性: 法と常識の狭間で考えよう
  • 刑事裁判に犯罪被害者や遺族が直接参加する制度を認めることができるか?: 法と常識の狭間で考えよう

    法制審議会は、年2月7日、犯罪被害者や遺族が、刑事裁判に直接参加する被害者参加制度の要綱をまとめて法務大臣に答申した。 法制審議会が答申した被害者参加制度に関する要綱は、故意の犯罪行為により人を死傷させた罪、強制わいせつ及び強姦の罪、業務上過失致死傷等の罪、逮捕及び監禁の罪並びに略取、誘拐及び人身売買の罪等の被害者等からの申し出を受けて裁判所が許可した者(この者を「被害者参加人」と呼ぶ)が、公判期日に出席すること、証人尋問をすること(弁護側の情状証人に対する反対尋問に限られる)、直接に被告人質問をすること、検察官の論告求刑の後に、求刑を含む意見陳述をすることができるというものである(これらを総称して「被害者参加制度」と呼ぶ)。 現行法上は、犯罪被害者や遺族は、あくまでも、目撃状況や被害感情を証言する証人としての立場であり、刑事裁判の当事者ではなかった。 そのことに対する犯罪被害者や遺族の

    刑事裁判に犯罪被害者や遺族が直接参加する制度を認めることができるか?: 法と常識の狭間で考えよう
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