2008/11/28 日本語に主語はいらない 金谷武洋『日本語に主語はいらない —百年の誤謬を正す—』(講談社選書メチエ)講談社、2002年 本書の内容はタイトル通り。表紙の惹句によれば「英文法の安易な移植により生まれた日本語文法の『主語』信仰を完璧に論破する、全ての日本語話者、必携の書」とある。これも本書の著者紹介によれば、著者はモントリオール大学東アジア研究所日本語科科長で、専門は類型論と日本語教育とのこと。 本書の感想は旧ブログで書こうと思っていた。本来なら、この記事は「旧ブログ記事の焼き直し」になるはずだった。どうせ自分の文章なんぞは、書評どころか読書感想文の水準にも達していない駄文。であれば、偏見と無知を全開にして思ったことを書けばいいはずだ。しかし、その「思ったこと」があまりにモヤモヤしていた。つまり、この本をどう評価していいものやら途方に暮れてしまったのだ。そんなわけで、今ま