東大大学院の本田由紀助教授が、2007年1月29日付朝日新聞の「時流自論」欄で、教育再生会議を批判している。賛否どちらにせよ、この問題に関心はあるが細かいことはよくわからないという方にとっては、いろいろ学ぶことが多いと思う。 私も学んだ。本題とまったく関係ないことなんだが。 この人の基本的な立場は、次の一節に集約される。 教育についての科学的な検証に従事している者をひとりも含まないメンバーから成る教育再生会議が、インパクト重視でまとめた報告書。その提言が、将来この社会を担うすべての子どもたちの毎日の生活を大きく左右しかねないことに対して、計り知れない危機感を感じる。 読んでそのまんま。「教育についての科学的な検証に従事している」同氏の「危機感」は、将来の子どもたちへの危機感でもあると同時に、自身の「社会的役割」に対する危機感でもあろう。本来なら、委員として入っていてもおかしくなかった人なん