ビセンテ・アモリン監督(右)と伊原剛志=パウロ・ムソイ氏提供「汚れた心」=パウロ・ムソイ氏提供 第2次大戦直後のブラジルで、祖国日本の敗戦を信じなかった日本人移民と、負けた現実を受け止めた移民との間で、流血事件が起きた。ブラジルの日系社会がいまだにタブー視するこの出来事をテーマにした映画を、ブラジル人監督が制作中だ。日本でも成功させたいと、奥田瑛二や伊原剛志らを起用した。 ポルトガル語の題名は「汚れた心」。敗戦のニュースを「連合軍のプロパガンダ」として、日本は米国に勝ったと主張した「勝ち組」と呼ばれた人々が、敗戦を信じた「負け組」の人々を「心の汚れたやつら」と呼んだことから採った。 映画は、負け組の人々を殺していく写真家(伊原)と、こっそりと子どもたちに日本語を教える妻(常盤貴子)の夫婦が、時代にほんろうされながらも愛を貫く物語だ。2000年にブラジル人ジャーナリスト、フェルナンド・